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心臓震盪(心臓しんとう)とは。スポーツ現場での心停止を知ろう。

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健康な人がちょっとしたことで急に心停止することがあります。

主にスポーツの現場で起こるのですが、「心臓震盪(しんぞうしんとう)」という言葉を知っていますか? 心筋梗塞や狭心症などの心臓病で心停止するのではなく、胸への衝撃が原因で心停止する。それが心臓震盪です。

語弊を恐れずにいうと、脳震盪(のうしんとう)の心臓版です。本記事では、心臓震盪とはどんなものか、また、スポーツプレーヤーと監督やコーチなどの管理者向けの予防と注意点もまとめています。

目次

1. 心臓震盪(心臓しんとう)とは

心臓震盪が起こる瞬間の図

スポーツをしているとき、いろいろな状況下で心臓震盪は起こる可能性があります。

「前胸部」と呼ばれる心臓の真上の場所へ衝撃が起きると心臓震盪になる可能性があり、当たった衝撃で不整脈が生じ、心停止(心室細動)になります。

若い男性に多く見られ、サッカー、フットサル、野球、ソフトボール、ラグビーなどのスポーツで発生しています。胸にボールが当たった衝撃であったり、空手で正拳突きがたまたま胸にあたって起きたりするなど要因はさまざまです。

ここだけ見れば分かる心臓震盪

  • 胸に衝撃が加わると不整脈が生じて心停止に至る可能性がある。
  • 若年層に多い
  • 野球、サッカー、競技者間の接触が多いスポーツ(コンタクトスポーツ)に多い

2. 動画で見る心臓震盪

実際どのようなシチュエーションで心臓震盪が起こるのでしょうか? NHKの「ニュースウォッチ9」の動画でその時の状況がよく分かります。

フットサルの試合中にボールが胸にあたり、心停止した青年の様子を見てみましょう。動画が始まって20秒くらいで実際の映像が見れます。

※動画はYou Tubeのサイト上にて再生いただけます。

この動画のように、運動中の心停止の多くは、人目のあるところで起きます。心臓震盪の場合は、AEDによる除細動(電気ショック)が効果的であるとともに、素早い行動と対応が適切であれば、後遺症を残すことが少ないという特徴があります。

3. 心臓震盪を疑ったら心肺蘇生法を行おう

もし、スポーツをしていて心臓震盪を疑うような状態だと思ったら、心肺蘇生法を実施しましょう。心室細動や心室頻拍による心停止には、AEDによる迅速な除細動が有効です。

心肺蘇生法の手順は以下の通りです。

心肺蘇生法の手順

  1. 周囲の安全を確保し反応を確認する
  2. 119番通報とAEDの手配
  3. 呼吸の確認
  4. 呼吸が無い、判断に迷ったら胸骨圧迫を実施
  5. AEDが到着したらAEDを使用する
  6. 気道確保と人工呼吸
  7. 胸骨圧迫、人工呼吸、AED使用の繰り返し

※ガイドライン2015では人工呼吸は訓練された者が技術と意思があれば行うとされている。

ここでは、心肺蘇生法の流れについて簡易的に紹介しましたが、詳細については、「【解説】一次救命処置の手順。心肺蘇生法ガイドライン2015版 」の記事にて解説をしています。

ポスター

また、心肺蘇生法の手順が分かるポスターについても配布をしています。よろしければ下のボタンよりダウンロードしてご活用ください。

ポスターを無料ダウンロードする

4. 運動・スポーツでの注意点

スポーツ

運動やスポーツでの外傷は手足が9割以上を占めるそうで、頭や胸の外傷は1割程度でも命に影響する外傷が発生します。下記に注意するべき外傷の部位を書きますが、胸部には心臓震盪がランクインしています。

1. 注意するべき外傷の部位

  • 頭部:頭蓋内血腫、脳挫傷、脳震盪、たんこぶ
  • 胸部:肋骨骨折、前胸部打撲、心臓しんとう
  • 腹部:肝損傷、腎損傷

2. 注意すべき内科系急性スポーツ障害

  • 熱中症
  • 急性アナフィラキシーショック
  • 運動誘発性喘息過呼吸症候群

3. その他の注意点

  • 急に体を動かす、運動は血圧変動に影響があるので、準備運動をすべき

参考文献:減らせ突然死ヘルスケア産業界におけるAED機器設置と心肺停止予防の指針(2017年11月16日第1.1版より抜粋)

5. スポーツプレーヤーの視点から心停止予防を考える

野球のキャッチャー

心臓震盪は胸への衝撃が原因ですので、胸部を守ることが大切です。たとえば、野球のキャッチャーのようにプロテクターなどで胸をガードすることです。

また、心臓突然死(心停止)の予防として急な運動を避け、しっかりと準備運動をしましょう。心構えとして、心臓突然死は誰にでも起きることと認識をしておきましょう。全体の4割には健常者に起きています。

これは予防ではありませんが、普段運動する体育館やグラウンドのどこにAEDが設置しているかを確認しておくことも大切です。

6. 指導者・監督者・施設管理者の視点から心停止予防を考える

AEDの使用が1分遅れると助かる可能性は約1割減少します。素早い対応を行うために、事前に予防と緊急時の対応をスタッフ全員で確認しておきましょう。

共有したい情報と内容

  • 有事がおきた場合の連絡方法やスタッフの連携確認
  • 救命講習の受講
  • AEDの携行またはAEDの場所の把握
  • 心停止の早期認識(心停止ではないか?と疑うこと、119番を躊躇わないなど)

その他共有しておきたいこと

  1. 精神面のフォローを共用する
  2. 心停止はどういう状況かということを共有する

1. 精神面のフォローを共用する

この他に、管理者や指導者に求められることとして、精神面のフォローがあります。

救護する立場にある人は、意識がない状態の身内(例えば普段指導している子どもや友達)に心肺蘇生を行い、場合によっては死を目の当たりにします。その為、精神的なショックを受けることは十分に考えられます。

救護者の心のケアも忘れずに、メンタルクリニックや精神科、心療内科の診療を勧めることや、「救護をして亡くなってもあなたのせいではない」という認識を事前に共有しておくことも大切です。

メンタルケア

2. 心停止はどういう状況かということを共有する

また、救護する可能性があるスタッフ全員で「心停止」という状態がどういう状態なのかということを共有しておくのもいいでしょう。

心停止状態は身体にとって一番悪い状態ですから、あなたが胸骨圧迫をおこなって肋骨を折ったくらいでは、さらに状態が悪くなることはありません。だって心臓が止まっているんですから。だから、勇気を持って対応して欲しい。

救護者を守る法律もあると、救護者の心構えをみんなで作っておくのもいいと思います。

心停止については、「AEDが適応可能な症状とは。心電図で見る4種類の心停止。」の記事で詳しく説明していますので、あわせてお読みいただければと思います。

まとめ

心臓震盪とスポーツの現場における注意点をまとめてみました。病気だけに気をつけるのではなく、いろいろな場面で誰にでも起こりうる。これが心停止です。

Jリーグでは松田直樹選手の不幸をきっかけに、ホームクラブにAEDの設置を義務化しています。徐々にプロだけではなく、サッカー教室などのアマチュアチームや大会にも設置が進んでいますが、サッカーに限らずさまざまなスポーツの現場でAEDの普及が進み、運動をする場所には必ずAEDがあり、携行することが当たり前になることを願っています。

参考文献

注意事項

本コンテンツの掲載情報は、医師の診断に代わるものではありません。症状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。


この記事を書いた人

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は7,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

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