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AEDの救助データとは。データ取り出しにかかる費用やデータ取り出しの流れは?

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AEDを使用した後に救急隊員や、医師、メディカルコントロール協議会などの団体から「AEDの救助データが見たい」といわれることがあります。

不測の事態が起きたばかりの状況で「救助データって何?」、「取り出すにはどうすればいいの?」、「費用は?」という方のために救助データとは何か、取り出すにはどうすればいいかをまとめました。

目次

1. AEDから取り出される「救助データ」とは?

データサンプル

AEDの内部にはデータを記録するメモリがあります。そこに、「救助データ」といわれる情報が記録されます。

これは、AEDを使用したときのみに記録されるものです。(※)

※本記事では、日本光電工業株式会社製AED(AED-3100・AED-2150・AED-2100)、株式会社CU製AED(CU-SP1・IPAD NF1200)を指します。

2. 救助データにはどんな情報があるの?

救助データに含まれる情報は大きく分けて2つです。

  • 心電図データ
  • イベント情報

この2つが、時系列で記録されていきます。一つずつ説明していきます。

2-1. 心電図データ

まず、心電図データですが、心臓の動きがどうなっていたかが、記録されています。たとえば、正常な心電図だと以下のように見えます。

図1. 正常な心電図データ

正常な心電図

電気ショックが必要な心室細動と呼ばれる、心臓がけいれんしている状態は、以下のような心電図になります。

図2. 心室細動の心電図データ

心室細動の心電図データ

こういった心臓の動きが心電図データで分かります。

2-2. イベント情報

救助データに含まれるもうひとつが、「イベント情報」です。AEDの電源をONにした、電気ショックを実行したなど、細かい情報が記録されます。たとえば、CU-SP1の場合では、以下の内容が分かります。

例:CU-SP1のイベント情報(一部)

  • 電源ON
  • 電源OFF
  • パッドON
  • 心電図分析中
  • 電気ショックの可否
  • 充電完了
  • 電気ショック(回数)
  • 心肺蘇生のため一時停止

これらが時間経過とともに分かるので、「いつ何をしたか」が分かります。

図3. イベント情報の例

AEDのイベント情報

3. 救助データってどこにどのくらい保存されるの?

データ容量

救助データは、AED本体のメモリに記録されます。AEDの機種によってメモリにどのくらい記録しておけるか異なります。

機種名 メモリ
AED-3100 3件、90分(1件あたり最大30分)の心電図波形とイベント情報
AED-2150 3件、90分(1件あたり最大30分)の心電図波形とイベント情報
AED-2100 3件、90分(1件あたり最大30分)の心電図波形とイベント情報
CU-SP1 5件のデータ保存が可能。(1件3時間まで、最長15時間のイベント情報)
IPAD NF1200 40分(心電図・イベント情報)

4. 救助データ取り出しをお願いされたら

どこに依頼するの?

取り出す方法は2つです。自身でデータを取り出す方法とメーカーや販売店に依頼する方法です。

データは自身で取り出すこともできますが、AEDからデータを取り出す方法は機種により異なります。専用の機器を使用するタイプや、赤外線通信、ブルートゥース通信、SDカードで取り出すタイプなどAEDによって違います。また、サービスマンが訪問しAEDから直接データを抜き出す場合などさまざまです。

その為、まずはメーカーや販売店に相談しましょう。ここでは、データ取り出しの詳細を聞かれると思います。詳細といっても依頼元の確認であったり、取り出しに必要な手順の案内だったり、代替器の貸し出し有無などです。心停止が今後も多く想定される場合や、簡単に取り出せるタイプのAED以外は、メーカーや販売店に依頼されるのがいいと思います。

5. AEDの救助データ取り出しは有償?無償?

有償?それとも無償?

メーカーや販売店に依頼するとして、救助データの取り出しに費用はかかるのでしょうか?

販売店としては、お客様からの依頼であれば、ご贔屓にしてくださるきっかけになりますので、無償で行いたいところなのですが、データの取り出し依頼は、基本有償となります。これは医療・消防関係からのデータ取り出し依頼を無償で行うと「便益労務」や「便宜供与」にあたるためです。

簡単にいうと、賄賂になってしまうからで、「お医者さんからの頼みごとを無償でやる代わりにうちの医療機器入れてください」のような不当な取引ができてしまう(疑われてしまう)ので、無償での提供ができなくなっています。そのため、基本有償となります。

医療・消防関係以外は、無償対応も法的に問題ないのですが、サービスマンが動くような場合などデータ取り出し自体に稼働がかかるために、依頼元に限らず有償の販売店やメーカーもあります。

金額はメーカーや販売店によって異なりますが、1万円~2万円(場合により別途交通費や送料など)が相場です。

6. そもそもなぜデータを取り出すの?

データ取り出し依頼の多くは、病院や救急隊員が傷病者の治療方針の一環で確認したい場合や、事後検証、今後の救急に活かすなどの理由が多いです。

そのため、なるべくデータの取り出しは関係者全員が協力していけたらと思っています。販売店の立場では、有償にせざるをえない場合が多いので、老人介護や、医療関係など使用リスクの髙いお客様は、データ取り出しが簡単なAEDをおすすめします。

図4. CU-SP1のデータ取り出し

CU-SP1のデータ取り出し

7. 現場の音声も録音されるの?

「音声も録音されてるんでしょ?」という質問を受けますが、当記事で紹介した機種には声の録音はありません。

また、録音できるタイプのAEDであっても、機能は別途オプションの場合もあり、現行で販売されているAEDには音声データ記録機能は少ないように思います。

まとめ

データの取り出し方法や金額はメーカーや販売店によってさまざまです。自身でデータを取り出す場合でも、まずは販売元やメーカーに連絡しましょう。これはデータの取り出しを行わない場合であっても、AEDを使用した状況ですので、身体に貼った電極パッドを消費しています。電極パッドは1度限りの使い捨てですから、パッドの交換が必要になるためです。

参考文献

  • 医療機器事業者による医療機関等へのAEDのデータ提供について(体外式除細動器ワーキンググループ)
  • 心電図データ:Defibrliiator-Simulator CU-SM1

この記事を書いた人

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は7,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

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