「レスキューセットって何ですか?」よく質問される内容です。
AEDを購入したときに、一緒に付属しているレスキューセットは「救急セット」、「レスキューキット」ともいわれます。
AEDを使うとき、使用する可能性の高いレスキューセットの内容と使い方をまとめています。
1. レスキューセットとは?
レスキューセットとは、AEDを使用するための補助道具がひとつの袋に入ってセットになっているもので、医療機器ではありません。
主な内容物は、ハサミ、人工呼吸用のマスク、不織布、手袋、カミソリが入っています。
防災用のレスキューセットもありますが、ここではAEDのレスキューセットで区別します。ひとつずつ説明します。
2. レスキューセットの内容
一般的に入っているものを紹介します。販売会社やメーカーにより中身や名称は異なる可能性があります。
2-1. ハサミ
衣服を切ったり、アクセサリーを切断したりするためのハサミです。
AEDのパッドは素肌に密着するように貼らなければならないため、服が脱がしにくい、はだけづらい場合はハサミで裁断しましょう。
通常のハサミと違う点は、先端が丸くなっていたり、カバーがついていたり、服を切るときに傷病者を傷つけないようになっています。
2-2. 人工呼吸用マスク・マウスピース
口対口人工呼吸をするときに使用するもので、口と口が直接触れないようにするものです。
逆止弁(一方向弁)が付いています。呼称は製品によりさまざまで、「人工呼吸用のマスク」、「マウスピース」のほかに、「フェイスシールド」、「シート」といったりします。
人工呼吸について
ガイドライン2015では、人工呼吸はその技術と意思がある場合に行います。できない場合は、胸骨圧迫とAEDを使って心肺蘇生を続けましょう。
一次救命についての詳しい手順は「【解説】一次救命処置の手順。心肺蘇生法ガイドライン2015版 」の記事で記載しています。
※2023年現在、最新のガイドラインはJRC蘇生ガイドライン2020です。JRC蘇生ガイドライン2020の一次救命処置についてはJRC蘇生ガイドライン2020の心肺蘇生手順【一次救命処置】をご覧ください。
2-3. 不織布・タオル
不織布・タオルは、電極パッドを貼る位置が濡れていたり、大量の汗をかいていたりなどした場合、拭き取るために使用します。
濡れた状態でAEDを使用すると、体の表面を伝って電気が流れしまうため十分な除細動ができません。
また、はり薬や湿布などを剥がした後の肌に残った薬剤を拭き取ることにも使用します。
2-4. 手袋
傷病者が出血していたり、嘔吐していたりする可能性もあり、そういった場合に手を保護するための手袋です。
素材は、ニトリルゴムとよばれる合成ゴムであったり、ポリエチレンや、ビニール製のものが多いと思います。
2-5. カミソリ
傷病者の体毛が多い場合に使用するカミソリです。よくあるT字のカミソリが多いと思います。主に電極パッドを貼る胸部分の体毛が濃い場合に、カミソリを用いて除毛します。
除毛時間の短縮等の理由で、電極パッドを貼って胸毛をバリッと抜くということをいわれますが、予備パッドがなかった場合は、もう貼れなくなります。カミソリを使って除毛をしましょう。
ここまでが、一般的なレスキューセットの内容となります。
3. レスキューセットを使用した場合
使用した場合は、使い回しをしないで新しいものに交換しましょう。マウスピースはなかなか市販で販売はされていないかと思いますが、それ以外は市販で販売されているものでも十分です。
また、サポートパックで救命に使用した時のレスキューセット交換を保証している販売会社もあります。レスキューセットの販売価格は、およそ1000円-3000円程度です。
4. レスキューセットはどこに収納すればいい?
日本光電製品・CU製品の場合、AEDのキャリングケースに収納できます。AEDと一緒に持ち運びできますので便利です。
まとめ
AEDの見積もりを取った際、疑問に思うレスキューセットについてまとめてみました。いざというときの備えとしてあるAEDは、オプションについても考えられています。
この記事の内容以外にも疑問点などあればコメントやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。