唯一の国産AEDを製造する日本光電より、短期レンタル用AEDとして、AED-M100が登場しました。
実機の発表前にガシャポンでのお披露目が先になったこのAEDは、レンタル専用となっているため、市場に販売されていないAEDです。
そのため、ほとんどの方が実機を見たことがないはずです。今回は、モバイルAEDとも呼ばれるこのAEDを徹底解剖します。
1. 国内初の小型タイプのAED
AED-M100は、国内初の小型タイプAEDです。
表. AED-M1200の仕様
販売名 | 小型自動体外式除細動器 AED-M100シリーズ |
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商品コード | AED-M100 |
寸法(mm) | 199-40-148(幅-高さ-奥行) |
質量(kg) | 約1.0(バッテリー・電極パッド含む) |
医療機器承認番号 | 30100BZX00172000 |
クラス分類 | 高度管理医療機器、特定保守管理医療機器 |
普及タイプとの比較
普及タイプと呼ばれる日本光電製AED-3100から取っ手やフタをなくし、体積は1/4以下、質量は1/2以下を実現した小型のAEDです。質量に至ってはパッドとバッテリーを含んで約1.0kg以内とかなり軽量になっています。
2. 基本的な性能もほとんどそのままに
小型化されていますが、ほぼAED-3100と変わらない機能を搭載しています。
- 動作・待機条件の温度範囲は、AED-3100と同じ-5℃~50℃
- IP(※)はAED-3100の66には劣りますが、55の防塵性・防水性の水準準拠
- 日本語・英語のバイリンガル対応可能
※IPとは防塵・防水の等級
短期のレンタルを想定しているため、遠隔監視システムなどは搭載していませんが、寒い場所を想定した対応温度、国際的なイベントでも使用できるためのバイリンガル機能を搭載しています。
3. 使用方法は?
- キャリングケースを開け、電源ボタンを長押しします
- 電極パッドを、胸に貼ります
- 電気ショックを行います
電源をONにすると同時にピーピーと動作音(100回/分)がスタートし、これは胸骨圧迫を行うリズムの目安になります。
音声ガイダンスも動作音と同じく流れ始めるので、電極パッドを所定の位置に装着し、電気ショックの要否、心肺蘇生の一連の動作について指示に従います。
操作は、AEDに書かれている①→②→③の指示に従うので、直感的に分かりやすくなっています。
AED-3100と電源ON・OFFが違う?
日本光電製のAEDといえば、フタを開ければ電源が入るタイプのAEDでしたが、AED-M100は、電源ボタンを長押しして、電源を入れるタイプのAEDです。
外観、内側を確認してみます。
筆者注記:セルフテストのボタン?
毎日のセルフテスト(どこか壊れていないかな?という自動チェック)はもちろんのこと、レンタルで貸し出すことを考慮して、有事前、イベント前など任意でセルフテストができるボタンが付いています。
4. どんなメリットがあるの?
持ち運びしやすい
なんといっても小型・軽量化を極限まで追求したAEDとのことで、そのサイズ感に驚きます。
小型であるためバックに入れて持ち歩くこともできますし、1kgということは13インチほどのノートパソコンや、500mlのペットボトル2本分の重さです。肩に掛けて持ち運ぶこともできますし、片手で持つことも可能です。
利用のしやすさ
通常のAEDをイベントで設置した場合は、受付・事務室・大会本部などに置くことが多いと思いますが、モバイルAEDは携行している状態で有事の場所に向かえるため、取りに行くという工程がなくなります。
最近では、マラソン大会でAED隊と呼ばれるボランティアがAEDを携行していち早く現場に向かう試みが成果をあげていますが、普及タイプのAEDよりも携行しやすく、持ち運ぶ際の利点が多いと思います。また軽い、持ちやすいというのは携行する人の負担を軽減もできます。
5. どういった利用目的に向いている?
小型化したことで長時間の持ち歩きが、よりしやすくなりました。
また、短期でのレンタル専用機種ということで、マラソンなどのスポーツ大会や、短期間で行われる展示会イベント、登山・旅行などでの携帯におすすめです。
どこで借りれるの?
レンタルは日本光電の短期レンタルのご案内より申し込みが可能です。
輸送中のリスクを考えてジェラルミンケースに入れる徹底ぶりです。イベントをご検討の方はご検討してみてはいかがでしょうか。
6. おまけ:ガチャと比較してみた
以前の記事でAEDガシャポンの紹介をしましたが、当時は実機がなかったため、今回比較してみました。
やはり精巧につくられているのが分かります。ガシャポンと他機種の比較については、こちらの記事をご参照ください。