AEDがポケモンGOのポケストップに。広がるAED認知の新しいかたち

最終更新日:2026年6月15日公開日:2026年6月15日

位置情報ゲームアプリ『ポケモンGO(Pokémon GO)』で、AED(自動体外式除細動器)の設置場所が「ポケストップ」として登録される取り組みが始まり、話題を集めています。

「AEDがどこにあるか分からない」という課題に対し、ゲームの高い普及率を活かして、より多くの人にAEDの場所を知ってもらう新しい試みとして注目されています。

本記事では、AED販売に携わる立場から、ポケストップ化の概要や期待される効果、今後の課題について解説します。

1. AEDがポケモンGOのポケストップに 注目される新たな取り組み

AEDがポケモンGOのポケストップ

注目されているのは、日本AED財団が運営するAEDマップ「AED N@VI」の情報をもとに、一部のAED設置箇所がポケモンGOの「ポケストップ」として登場する取り組みです。

この取り組みは、ポケモンGOを展開するNianticおよび株式会社ポケモンと、日本AED財団の連携によって進められています。

ゲーム内には「ポケストップ」と呼ばれる地点があり、公園や施設、モニュメントなど、実際の場所と連動して設定されています。プレイヤーはポケストップを訪れることでゲーム内アイテムを入手できるため、多くの人が日常的に立ち寄る場所となっています。

公式発表によると、東京都内約1,000箇所からスタートし、7月中旬までに全国のAED設置箇所のうち約13,000箇所に順次登場する予定です。(※1)

※1 参考:『Pokémon GO』にAED設置箇所が「ポケストップ」として登場します!|Pokémon GO

ポケモンGOとは

ポケモンGOは、スマートフォンの位置情報を活用し、現実世界を歩きながらポケモンを集めるゲームです。2016年の配信開始以来、世界中で親しまれており、2026年には10周年を迎えます。ゲーム内には「ポケストップ」と呼ばれる地点があり、公園や施設、モニュメントなど、実際の場所と連動して設定されています。プレイヤーはこれらの場所を訪れることでアイテムを入手できます。

1-1. パーモットが目印のポケストップ

パーモットが目印のポケストップ

※画像引用元:『Pokémon GO』にAED設置箇所が「ポケストップ」として登場します!|Pokémon GO公式サイト

AED設置箇所のポケストップには、「パーモット」がデザインされた特別なフォトディスクが表示されます。パーモットは、「てあてポケモン」と呼ばれる人気のポケモンで、今回のAED啓発施策のシンボルとして起用されています。

ポケストップは、プレイヤーが日常的に訪れる場所です。そこにAEDの情報が加わることで、「ここにAEDがある」という認知が、日常の中で自然に広がっていくことが期待されています。

また、ポケストップの名称もAEDの場所が分かりやすいように工夫されています。

  • JR御茶ノ水駅 聖橋口改札入って左手
  • JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口改札右側

フォトディスクを回すと、AED財団による啓発メッセージ「減らせ、突然死」が表示されるポケストップもあります。またゲーム内のお知らせからは、「身近なAEDを探してみよう」というメッセージとともに、team ASUKAアプリの案内も確認できるようになっています。

1-2. ギフトでフレンドにAEDの場所を共有する

ポケモンGOには、フレンド同士でギフトを送り合える機能があります。

ギフトは、ポケストップでフォトディスクを回すことで入手できます。AED設置箇所のポケストップがギフトとして共有されることで、「ここにAEDがある」という情報が、ゲーム内のコミュニケーションを通じて自然に広がっていくことも期待されています。

2. なぜ今、“AEDの場所が分からない”ことが課題なのか

“AEDの場所が分からない”ことの課題

AEDの設置数は年々増加しています。商業施設やオフィスビル、学校など、街中で見かける機会も多くなりました。

実際、厚生労働省の研究報告によると、日本国内には約69万台のAEDが設置されていると推定されています。(※2)これは世界的に見ても高い水準であり、私たちの身近な場所にAEDが広く普及していることがわかります。

一方で、AEDが実際に使われている割合は、まだ高いとは言えません。総務省消防庁「令和7年版 救急救助の現況」によると、一般市民が目撃した心停止事案のうち、実際にAEDによる除細動が行われた割合は5.2%にとどまっています。(※3)

その背景の一つとして、設置場所の認知が十分に広がっていないことが指摘されています。

日本ではAED設置場所の登録義務がないため、どこに設置されているかが十分に把握されておらず、緊急時に活用されにくいという課題があります。

AEDの設置場所を確認できるサービスとして、AEDマップや専用アプリなども提供されていますが、日常的に目にする機会はまだ多いとは言えません。

こうした状況から、「どこにあるかが分かること」の重要性が改めて認識されています。

※2. 参考:令和5年度厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)『AED の適切な利用環境の構築に向けた研究』分担研究報告書|厚生労働科学研究成果データベース

※3. 参考:令和7年版 救急救助の現況|総務省消防庁

3. ポケストップ化で期待されるAED認知の広がり

では、ポケストップ化によって何が変わるのでしょうか。

ポイントは、日常の中で自然にAEDを認知する機会が増えることです。

AEDは「設置されているだけ」では十分ではなく、「必要なときにすぐ場所が分かること」が、救命につながる重要なポイントになります。

ポケモンGOのプレイヤーは、日常的にポケストップを訪れます。その過程で、「ここにAEDがある」という情報に自然と触れることになります。これは従来の掲示物や案内表示とは異なり、“行動の中で認知される”という点で効果が期待できます。

このようにポケストップ化は、日常の中でAEDの存在を自然に知ってもらう新しい取り組みとして期待されています。

4. AEDは「設置するだけ」で終わりではない

AEDは「設置するだけ」で終わりではない

ポケストップ化は、AEDの存在を知ってもらうための有効な取り組みの一つです。

AEDの使用率を高めていくには、「設置されていること」や「場所が分かること」に加えて、「いざというときに使える状態であること」と「実際に行動に移せること」も重要です。

AEDのバッテリーや電極パッドには使用期限があるため、定期的な点検と交換によって、いつでも使える状態を維持する必要があります。

また、AEDは初めての方でも使えるように音声ガイダンスなどが備えられており、特別な知識がなくても操作できるように設計されています。ただし、いざという場面では誰でも戸惑ってしまうものです。

いざというときに備え、基本的な流れを事前に確認しておくことも大切です。

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5. まとめ

ポケモンGOとAEDという一見異なる分野の組み合わせですが、そこには「認知をどう広げるか」という課題へのヒントが見えてきます。

AEDはすでに多くの場所に設置されていますが、それだけでは十分とは言えません。周囲の誰か一人でも、AEDの設置場所を知っていれば救命につながる可能性は高まります。

これからは、「どこにあるかを知っていること」や「いざというときに使える状態であること」「実際に行動に移せること」といった視点での取り組みが、より重要になっていくと考えられます。

ポケストップ化は、そうした取り組みの一つとして、今後の広がりが期待されます。

6. 参考リンク

7. 注意事項

  • 本記事については、AED財団の協賛企業として、AEDの普及を目的に、AED財団の同意を得て掲載しています。
  • 「Pokémon GO」「ポケモン」は任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。©2026 Niantic, Inc. ©2026 Pokémon. ©1995–2026 Nintendo / Creatures Inc. / GAME FREAK inc.
  • 当サイトはNiantic、株式会社ポケモン、任天堂およびAED財団の公式サイトではありません。

この記事の著者:山田 歩美

山田
山田 歩美。株式会社クオリティーAED事業部に2025年4月入社。上級救命講習修了。心電図検定3級取得(日本不整脈心電学会)。AEDの仕組みや正しい使い方、心肺蘇生法などの知識を深めるため、日々研鑽を重ねています。自らの体験を通じて、皆さまに正確でわかりやすい情報をお届けできるよう努めています。

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