職場の救急箱の中身とは?必要なものと人数別の選び方
職場で突然、指を切った。転倒して出血した。体調不良者が出た。
そんなとき、救急箱(救急セット)がすぐ使える状態にあるかどうかで、初動対応は大きく変わります。
この記事では、職場における救急箱の必要性や基本的な中身、人数や業種に応じた選び方についてわかりやすく解説します。
1. 救急箱の設置は法令で義務付けられています

職場における救急箱の設置は、労働安全衛生法に基づき、労働安全衛生規則で定められています。
労働安全衛生規則 第633条(※1)では、事業者に対して主に以下の対応が求められています。
- 負傷者の手当に必要な救急用具および材料を備えること
- 備え付け場所や使用方法を労働者に周知すること
- 救急用具を常に清潔に保つこと
つまり、事業所では救急箱を備え、適切に管理することが必要です。
あわせて、救急箱の保管場所はあらかじめ決めておきましょう。緊急時に迷わず持ち出せるよう、誰でも分かりやすい定位置に設置し、あわせて設置場所を周知しておくことが大切です。
※1 参考:安全衛生情報センター:労働安全衛生規則 第633条
2. 救急箱の中身は「事業所ごとの判断」が必要
以前は救急箱の中身(救急用具)が細かく定められていましたが、2021年の労働安全衛生規則改正により具体的な品目の義務規定は廃止されています。(※2)
現在は、職場ごとのリスクに応じた救急用具の準備が求められます。
業種や作業内容によって「起こりやすいケガの種類」は異なります。たとえば、オフィスでは紙で指を切るなどの軽いケガが多い一方、工場や厨房では火傷や切創など、応急処置が必要になるケガのリスクが高くなります。
- 火傷のリスクがある職場:冷却や保護に使える用品
- ケガのリスクが高い現場:止血や保護に使える用品、ソフトシーネなどの副木
このように、業種や作業環境に応じて救急箱の中身を調整することが必要です。
※2 参考:厚生労働省:職場における労働衛生基準が変わりました
3. 救急箱に入れておきたい基本の中身
救急箱は業種や作業環境に応じて調整が必要ですが、まずはどの職場でも共通して必要な基本の中身を押さえることが大切です。
救急箱の内容は、「傷の処置」「衛生管理」「補助用品」の3つに分けると整理しやすくなります。
3-1. 傷の処置に使用する用品
ケガをした際に、傷口を保護し感染を防ぐための基本的な用品です。出血の有無や傷の大きさに応じて適切に使い分けることが重要です。
- 三角巾(止血・固定・腕の吊り下げなど多用途に使用可能)
- 絆創膏(軽い切り傷・擦り傷の保護)
- 滅菌ガーゼ(傷口の保護・出血時の当て布)
- 伸縮包帯(ガーゼの固定・圧迫止血)
- サージカルテープ(ガーゼや包帯の固定)
- 消毒液(洗浄・感染予防)
- 滅菌パッド(出血時の保護・吸収)
三角巾は、保護・止血・固定など幅広く活用できる便利なアイテムです。詳しい使い方は、防災・危機管理eカレッジ|総務省消防庁をご覧ください。
また、サージカルテープは、ガーゼや包帯などを皮膚に固定するための医療用の低刺激な粘着テープです。

3-2. 衛生管理・感染対策に使用する用品
処置を行う人とケガをした人、双方の安全を守るために必要な用品です。感染リスクを防ぐためにも、準備しておくと安心です。
- ポリグローブ(血液や体液への直接接触を防ぐ)
- ウェットティッシュ(手指や器具の簡易清拭)
- マスク(飛沫感染の防止)
- アルコール消毒液(手指消毒・衛生管理)
3-3. 応急処置を補助する用品

処置をスムーズに行うための補助用品です。直接傷を治すものではありませんが、迅速かつ安全に応急処置を行うために使用します。
- 万能ばさみ(包帯や衣類の切断に使用)
- ピンセット(異物の除去やガーゼの取り扱いに使用)
まずは基本セットを揃え、そのうえで職場のリスクや災害時の対応も踏まえ、必要な救急用具を追加していきましょう。
4. 救急箱の選び方のポイント(人数別の目安)
救急箱は、使用する人数に応じて、適切なサイズを選ぶことが重要です。人数に対して準備が少ないと、いざというときに用品が不足する可能性があります。どのサイズを選ぶか迷った場合は、やや余裕のある人数用を選ぶのがおすすめです。
AEDコムでは、人数規模に応じて必要な基本セットが揃った救急箱セットを販売しています。用途や人数に合わせて選ぶだけで、必要な備えを効率よく整えることができます。
4-1. 【10人用】小規模オフィス・店舗向けの救急箱

従業員数が少ないオフィスや小規模店舗に適した基本セットです。日常的な軽いケガへの対応に十分な内容が揃っています。
防災用救急箱セット10人用のセット内容

傷の処置に使用する用品
- 三角巾L×2枚
- 伸縮包帯M×3巻・L×1巻
- サージカルテープ×1個
- 消毒液80mL×2本
- 滅菌ガーゼ(S15枚 / M12枚 各1箱)
- 救急絆創膏M(100枚入)×1箱
- 滅菌パッド防水M(5枚入)×1個
衛生管理・感染対策に使用する用品
- ポリグローブL(100枚入)×1個
- マスク(ふつう6枚 / 女性・子ども用4枚)
- 一方弁マスク×2個
- 消毒ウェットティッシュ(10枚入)×1個
応急処置を補助する用品
- 万能ばさみ×1本
- 毛抜き×1本
- アルミケース×1箱
※セット内容は変更される場合があります。最新の情報は商品ページをご確認ください。
▶ 防災用救急箱セット10人用の詳細についてはこちらからご覧ください。
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4-2. 【20人用】一般的なオフィス向けの救急箱
中規模の事業所やフロア単位での設置に適しています。使用頻度を考慮し、やや余裕を持った内容になっています。
防災用救急箱セット20人用のセット内容

傷の処置に使用する用品
- 三角巾L×10枚
- 伸縮包帯S×2巻・M×3巻・L×1巻
- 眼帯セット×2個
- ソフトシーネ(5S / 4S / 3S 各1本)
- ワンタッチ駆血帯×1本
- サージカルテープ×1個
- 消毒液80mL×2本
- 救急絆創膏M(100枚入)×1箱
- 滅菌ガーゼ(S15枚 / M12枚 各1箱)
- 滅菌パッド防水(S6枚 / M5枚 / L4枚 各1個)
- 冷却シート(16枚入)×1箱
衛生管理・感染対策に使用する用品
- ポリグローブL(100枚入)×1個
- マスク(ふつう10枚 / 女性・子ども用10枚)
- 一方弁マスク×2個
- 消毒ウェットティッシュ(10枚入)×5個
応急処置を補助する用品
- 防寒用アルミシート×2枚
- メディカルキット×1セット
- 万能ばさみ×1本
- 電子体温計TO-100×1本
- 救急ハンドブック×1冊
- アルミケース×1箱
※セット内容は変更される場合があります。最新の情報は商品ページをご確認ください。
▶ 防災用救急箱セット20人用の詳細についてはこちらからご覧ください。
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4-3. 【50人用】工場・大型施設向けの救急箱

従業員数が多い現場やリスクの高い環境では、大容量の救急箱が必要です。複数人が同時に使用するケースや、備蓄として余裕を持たせたい場合にも適しています。
防災用救急箱セット50人用のセット内容

傷の処置に使用する用品
- 三角巾L×10枚
- 伸縮包帯S×2巻・M×3巻・L×1巻
- 眼帯セット×2個
- ソフトシーネ(5S / 4S / 3S 各1本)
- ワンタッチ駆血帯×1本
- サージカルテープ×1個
- 消毒液80mL×2本
- 救急絆創膏M(100枚入)×1箱
- 冷却シート(16枚入)×1箱
- 滅菌ガーゼ(S15枚 / M12枚 各1箱)
- 滅菌パッド防水(S6枚 / M5枚 / L4枚 各1個)
衛生管理・感染対策に使用する用品
- ポリグローブL(100枚入)×1個
- マスク(ふつう10枚 / 女性・子ども用10枚)
- 一方弁マスク×2個
- 消毒ウェットティッシュ(10枚入)×5個
応急処置を補助する用品
- 防寒用アルミシート×2枚
- メディカルキット×1セット
- 万能ばさみ×1本
- 電子体温計TO-100×1本
- 救急ハンドブック×1冊
- アルミケース×1箱
※セット内容は変更される場合があります。最新の情報は商品ページをご確認ください。
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5. 医薬品の取り扱いについて

救急箱に医薬品を入れる場合は、取り扱いに注意が必要です。
医薬品は効果や副作用に個人差があるため、薬剤師の説明なく配布・使用することは望ましくありません。
職場で常備する場合は、産業医の意見や衛生委員会での検討を行い、使用ルールを定めておくことが重要です。
- 使用は自己責任とする
- 使用者・使用内容の記録を行う
- 使用期限や保管状態を定期的に確認する
管理が難しい場合は、医薬品を含まない救急箱をベースに整備する方法も有効です。
なお、体温計などの測定機器をあわせて備えておくと、体調の変化を把握する際に役立ちます。医薬品とは異なり扱いやすいため、救急箱に加えておくと安心です。
6. 救急箱は定期的に点検しましょう
救急箱は、準備して終わりではありません。
実際に必要な場面で「中身が足りない」「使用期限が切れている」といった状態では、十分な対応ができない可能性があります。いざというときに確実に使えるよう、あらかじめ担当者を決め、定期的に点検を行うことが大切です。
- 消耗品に不足がないか
- 医薬品の使用期限が切れていないか
- 救急用具に汚れや破損がなく、清潔に保たれているか
日頃から適切に管理を行い、いつでも使える状態を維持しておきましょう。
7. まとめ
救急箱は、突然のケガに備えるために欠かせない備えです。職場では、法令で設置が求められていることもあり、従業員の安全を守るためにもしっかりと準備しておくことが大切です。
実際にケガをしてしまったとき、すぐに対応できるかどうかは、日頃の備えに大きく左右されます。いざという場面で慌てないためにも、救急箱の中身や設置状況を定期的に確認し、常に使える状態を保っておくことが大切です。
万が一のときに「準備しておいてよかった」と思えるよう、この機会に自社の救急箱を見直してみてはいかがでしょうか。

