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社内でAEDの使い方を説明するときのポイント

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私は、一度心停止したことがあり、その経験から今ではAEDを含めた一次救命の講習を日々行っています。しかし、外部から講師を招いて講習会を開催するまでは考えていないケースが多いのが実情です。

ひとまずAEDを導入したことを周知したい、スタッフがAEDを使えるようにしたいと考えている方に向けて、AEDの使い方を説明するときのポイントを記事にしました。

1. はじめに、目標設定しよう

AEDの使い方を説明するときに注意する点はどんなところでしょうか?

1-1. 説明会の目標を設定しましょう

目標設定

社内や団体で説明会を開催する場合、まずは目標を設定します。

従業員、自治会員、住民などに、AEDや一次救命処置に関してどこまで理解してもらうかを決めましょう。

1-2. 説明会の目標の例

ここでは説明会の目標設定の例を挙げます。

あなたの会社や団体に合わせて、簡単すぎない内容(難易度中以上)を選ぶのがいいでしょう。

目標例として、難易度別で必要な準備、説明会を開催する上でのポイントをまとめました。

説明会の目標例

  • 難易度低:AEDの設置位置を覚えてもらう
  • 難易度中:全員がAEDの使い方を理解する
  • 難易度高:全員が胸骨圧迫とAEDの使い方を身に付ける

2. 難易度低:AEDの設置位置を覚えてもらう

必要な機材

機材は特に必要ありません。

ただ、どこにAEDを設置したか誰が見てもわかるよう資料を作成して配布をするのが望ましいでしょう。

チラシやメールなどでお知らせするのもいいですが、できれば、実際に集まってもらい、一緒に設置位置を確認します。万が一のときに、どこにAEDがあるか覚えている可能性が高くなります。

また、ステッカーやポスターを使って、AEDの設置場所を周知するのも有効です。AEDガイドでも、無料配布していますので、ダウンロードしてご自由にお使いください。

AEDポスターとAEDステッカー

ポスターダウンロードはこちらから

ステッカーダウンロードはこちらから

説明する上でのポイント

AEDは誰でも使える機器だということを周知しましょう。設置位置の説明とあわせて、人が倒れた場合はためらわずに使用して欲しいということを伝えます。

想定される質問と回答をまとめました。

想定される質問と回答例

AEDとは何ですか?

AEDは、人が突然倒れたときに起こる突然の不整脈を電気ショックで取り除く医療機器です。

AEDは誰でも使えますか?

医療従事者に限らず誰でも使用できる医療機器です。電源を入れると音声アナウンスが流れますので、それに従えば正しく対処ができます。

AEDで電気ショックをして大丈夫?

AEDが心電図を解析し、電気ショックが必要か不要か判断します。不要な場合は、電流は流れません。傷つけてしまうのではないか?という不安が頭をよぎると思いますが、ためらわずに使いましょう。

設置位置は?

〇〇に設置してあるので、万が一の際はためらわず持って行き、使用してください。

AED以外に行うべきことは?

119番通報を忘れずに行ってください。通報先の指令センターで心肺蘇生のやり方も教えてくれます。

3. 難易度中:AEDの使い方を理解する

難易度低の内容にプラスして、AEDの使い方を理解してもらう内容です。

必要な機材

AED訓練機

AEDのデモ機(訓練機)です。

AEDのデモ機を有料でレンタルしてくれる企業があります。また、AED販売店のサービスとして、無料レンタルをしてくれるところもありますので、導入時に「AEDデモ機のレンタルがあるか」を確認することをおすすめします。

説明する上でのポイント

AEDは電源を入れると音声アナウンスが流れ、やるべきことを指示してくれます。しかし、実際に何をするのか把握しておくことで、不安が減りますし、万が一の際の対応がスムーズになります。

ここでは、実際にAEDのデモ機に触れてもらい、音声アナウンスに沿って行動することが重要だと伝えましょう。

想定される質問と回答例

AEDが手元に届いたらすべきことは何か?

電源を入れます。音声ガイダンスが流れますので、沿って行動してください。

電極パッドはどこに貼ればいいですか?

音声アナウンス、および電極パッド等に書かれた指示図に従って貼ります。

電気ショックを行った後はどうすればいいですか?

呼吸が再開する、意識が回復する、顔や手などが動く(胸骨圧迫を嫌がるような目的のある動作)といった兆候が見られなければ、AEDの指示に従い心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)を行ってください。また救急隊が到着するまで心肺蘇生を続けてください。AEDは2分おきに自動で心電図の再解析を行いますので、必要に応じて再度電気ショックを実施します。

4. 難易度高:心肺蘇生ができるようになる

難易度中の内容にプラスして、胸骨圧迫とAEDの使い方ができるようにします。

必要な機材

人体模型とAED訓練機

  • AEDのデモ機(訓練機)
  • 救命講習用のマネキン

説明する上でのポイント

AEDを使用(電気ショックの有無に限らず)した後、音声アナウンスで胸骨圧迫を行うよう指示が出ます。胸骨圧迫は、再び心臓が動き出すのに重要な役割を担っていますので、以下のポイントをしっかりと伝えましょう。

A. 押す深さ

胸が約5cm沈むように圧迫し、6cmを超えないようにします。(小児や乳児は、胸の約3分の1の深さ)

ただし、6cmを超えないとするのは計測できず難しいので、5cm以上押せているかを意識するといいでしょう。

B. 押すテンポ

1分間に100回~120回(小児や乳児も同じテンポ)

C. 解除(除圧)

毎回、圧迫したらしっかりと(完全に)胸を元の位置に戻す。ただし、押す深さが浅くならないように注意します。

D. 絶え間なく

AEDを使う際や人工呼吸の際など胸骨圧迫を中断する時間が生じるが、中断は最小限にします(10秒以下)。

より詳しい説明は、【解説】一次救命処置の手順。心肺蘇生法ガイドライン2015版新型コロナウイルス流行中の心肺蘇生法で注意すべきことは?の記事を参考にしてください。

想定される質問と回答例

胸骨圧迫で疲れた場合どうすればいいですか?

1~2分毎を目安に交代しましょう。疲労によって、胸骨圧迫の質が低下する場合があります。

肋骨が折れてしまうのではないか?

肋骨が折れてしまうおそれもありますが、肋骨は折れても治ります。

まとめ

いかがでしたでしょうか? AEDの使い方を説明する必要がある方向けに、準備する物や、説明をするうえでのポイントなどをお伝えしました。

一方で、説明会自体には必要性を感じるが、自社や自団体で行うのは難しいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。そういった場合は、出張型の講習サービスもあり、準備が各段に楽になるとともに、正しい知識と技術を多くの人に伝えられますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。

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