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【緊急メッセージ】子どもに使うAEDの電極パッドの名称が変わったってホント!?

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JRC蘇生ガイドライン2020が書籍で発売されました。心肺蘇生の変更点はチェック済みですか?

心肺蘇生の流れに大きな変化はありませんでしたが、子どもに使用する電極パッドに関する名称が変更されました。AED財団から緊急メッセージとして、注意喚起が出されています。

当記事では、何が変わったのか、現在がどうなっているのか解説します。

1. 何が変わるの?

電極パッドの名称変更AEDの「成人」、「小児」という表現が順次廃止になります。これに伴い、電極パッドとモードの名称が変わる見込みです。

AEDには、傷病者の身体に貼りつける電極パッドが付属されています。この電極パッドには種類があり、「成人用電極パッド」と「小児用電極パッド」の2つがあります。また、ひとつの電極パッドで「成人モード」と「小児モード」を切り替えて使うAEDもあります。

この電極パッドやモードの名称が、「成人用」と「小児用」から「小学生~大人用」と「未就学児用」に変わります。

あるメーカーからは、すでに変更に向けて動いているとも聞いています。

成人・小児表現の変更のまとめ

ポイント

成人、小児という表現から小学生~大人、未就学児という表現に変わります。

成人(小学生以上)

 今までガイドライン2020
電極パッドの表記成人用電極パッド小学生~大人用電極パッド
モード切替の表記成人用モード小学生~大人モード

小児(未就学児以下)

 今までガイドライン2020
電極パッドの表記小児用電極パッド未就学児用電極パッド
モード切替の表記小児用モード未就学児用モード

例:ガイドラインマークとモード切り替え表記(日本光電製AED)

※日本光電製AEDの場合、AED本体のフタ部分にガイドラインマークが貼ってあります。

ガイドライン2015(今まで)ガイドライン2020
2015ガイドラインマーク
ガイドライン2015マーク
2020ガイドラインマーク
ガイドライン2020マーク
2015切り替えスイッチ
小児用・成人用モード
2020切り替えスイッチ
未就学児用・小学生〜大人モード

※2021年9月
※メーカー・機種により、パッドではなく〇〇キーであったり、未就学児「用」モード、未就学児モードであるなどの差異があります。
※商品名と医療機器の名称(一般的名称)が異なる場合があります。

2. そもそも何のために未就学児用があるの?

未就学児用(電極パッドやモード)は、0歳~未就学児にAEDを使用するときに使います。その目的は電気ショックのパワーを減らすためで、小学生~大人に使う電気ショックの約3分の1にします。

乳児・小児の救命手順に対しては詳しくはこちらをご参照ください。リンク先の記事では、表記が小児用モードのままとなっています。

3. 今まで何が問題だったの?

小児用電極パッドと成人・小児切り替えスイッチ皆さんは小学生を年齢で分けるとき何と呼びますか?

小児と答える人が多いのではないでしょうか。病院の小児科も中学生までは受診していると思います。

しかし、これまでに説明したように、AEDを使うときの表現では、未就学児までを「小児用」、小学生に関しては「成人用」として呼び、対応していました。

小学校で心停止が起きたとき、どちらを使えばいいのか? という疑問が湧き、実際に迷った事案が起きたことを受けて、JRC蘇生ガイドライン2020にて修正が入りました。

4. いつから変わるの?

順次変更されていきます。

既に設置してある成人小児表記のAEDと、表記が変更されたAEDが設置されていくため、当面は混在している状況が続くと思います。

また、医療機器であるAEDは簡単に切り替えの表記や、音声ガイダンスを変更できません。承認が必要な機器であるため、JRC蘇生ガイドライン2020準拠のAEDが発売されていくのも、徐々にとなります。

5. さいごに~年齢に迷ったら。

AEDや救急の業界では小児用電極パッドと言えば未就学児に使うのが当たり前でした。そのため講習などではその都度説明していましたので、非常にいい変更だと思います。

倒れた人の年齢に迷ったときは

AEDを使うとき、未就学児なのか?小学生なのか?迷ったときは「小学生~大人」の使用してください。JRC蘇生ガイドライン2015準拠のAEDの場合は、成人用を使用してください。

参考文献・引用

  • 「JRC蘇生ガイドライン2020」医学書院(2021年6月15日第1版第1刷)

わが国のガイドラインにおいては、未就学児用モード/キーあるいはエネルギー減衰機能付き未就学児用パッドの使用年齢の区切りを、未就学児(小学校入学前)と小学生の間と規定している。なお、従来、AEDの『小児用』パッド、モードで対象としていたのは、就学前までの児であり、出生から思春期までを『小児』とする区分と異なっていた。未就学児(小学校入学前)に対してエネルギーが減衰されるパッド、あるいはモードの使用を促す方針に変わりはないが、従来使用されていた『小児用』パッド、モードという用語では小学生に対して『小児用』が使用されかねないという混乱を避けるため、未就学児(小学校入学前)用パッド、あるいはモードという用語に変更した。

JRC蘇生ガイドライン2020 第3章小児の蘇生 3背景となる考え方 18)小児に対するAED(p166)より引用

 

この記事を書いた人

清水 岳

清水 岳

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は11,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

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