AEDには、消耗品があります。「電極パッド」と「バッテリー」です。
消耗品の期限が切れて発注はしたものの、交換ってどうすればいいの? AEDを実際に使用して消耗品を買ったけど取り付け方が分からない。電極パッドの交換に手間取ってバッテリーを消耗してしまった……。
そもそもAEDを使用することがない場合、分からないですよね。実は、意外と簡単です。本記事では、AEDの消耗品の交換方法を分かりやすく説明します。
1. 電極パッドの交換は差し換えるだけ
古い電極パッドのコネクタを掴んで外し、新しいものを差し換えます。これだけで完了です。いくつかの機種で説明します。
1-1. 日本光電製品の電極パッドの交換方法
フタをあけると電源がONになります。古い電極パッドを外して、新しいパッドを接続します。フタに納まるように電極パッドのコードを収納し、フタを閉じてロックをすれば完了です。
電極パッドを装着する場合には、フタを閉じた状態で、使用期限が確認できるよう期限が書かれた面を外側に向けて収納しましょう。
日本光電製AEDの電極パッド交換の流れ
1. フタを開け、古い電極パッドを取り外す。
2. 新品の電極パッドを接続する。
3. フタにケーブルを固定し、収納する。
4. フタを閉じて電源をオフにする。
注意点
交換が終わった後、AEDから何か音がしている場合、電極パッドがちゃんと刺さっていないなどの理由で、エラー音が出ています。
エラー音を発することでバッテリーを消耗してしまうので、音が鳴っていないか確認しましょう。
1-2. CU製品の電極パッドの交換方法
CU-SP1の電極パッドの交換方法
1. 古い電極パッドを差込口からコネクタを外し、本体背面から電極パッドを引き出します。
2. 新しい電極パッドをコネクタに差し込み、本体背面の収納部に電極パッドを納めます。
予備用の電極パッドは?
予備用の電極パッドを購入するケースもあるかと思いますが、本体と同時に買っている場合、期限は揃っているのがほとんどです。予備の電極パッドも期限を確認して、必要ならば、併せて買い換えをしましょう。
予備用の電極パッドは、本体のキャリングケースなどにいれて分かりやすい場所に保管をしましょう。
2. バッテリーの交換も差し換えるだけ
AEDのバッテリー交換は、古いバッテリーを抜き、新しいバッテリーを差し、セットアップを行います。
AEDによって、2つのパターンがあります。
- バッテリーを挿入するだけでセットアップが済むAED
- バッテリーを挿入すると、音声ガイダンスが始まりセットアップが必要なAED
日本光電製のAED(AED-2100やAED-3100など)は前者で、株式会社CU製のAED(CU-SP1やIPAD NF1200)は後者です。
2-1. 日本光電製品のバッテリー交換方法
バッテリーを挿入するだけでセットアップが済むAEDです。
1. バッテリーのラッチに指を掛け、古いバッテリーを抜き出します。
2. 新しいバッテリーを装着します。装着時には、カチッと音が鳴るまでしっかり押し込みます。
これで完了です。
2-2. CU製品の交換方法
1. ラッチをギュッとつまみ、古いバッテリーを抜きます。
2. 新しいバッテリーを装着し、セットアップを行います。
新しいバッテリーを差し込むと音声ガイダンスが始まります。「緑のボタンを押してください」や、「点滅しているオレンジ色のボタンを押してください」など、音声で指示が出ますので、その通り押してください。これでセットアップが完了です。
電極パッドとバッテリーが一体型になったAEDもある
「パッドパック」という名称で、電極パッド・バッテリーが一体型になっているAEDも中にはあります。
交換が簡単な一方で、一体型のため、間違ってパッドを開けてしまうとバッテリー(パッドパック)ごと交換になります。
3. 電極パッド・バッテリーを交換したときにすべきこと
電極パッドやバッテリー交換後に行うべきことをまとめています。
3-1. インジケータの確認
消耗品交換が終わった後に、インジケーターの確認を必ずしましょう。これは消耗品の交換が正常に終わっているか確認するためです。
注意しなければいけないのが、電極パッドの交換をしただけではインジケーターが変わらない機種があります。その場合は、翌日にインジケータの確認をするか、バッテリーを抜き差ししてセットアップを実行しましょう
機種によりますが、セルフテストと呼ばれるAEDの状態チェックが、電極パッドの交換時に行われず、セルフテストの実施タイミングが、定時、セットアップ時、電源ON時などになっているためです。
AEDのインジケータやエラーの様子については、「【動画で解説】AEDからアラーム音?AEDから音が鳴る原因とその対応」の記事にまとめていますので、あわせてご確認いただければと思います。
3-2. ラベル・タグを更新しよう
日常点検タグや管理表示ラベルと呼ばれるAEDの本体や電極パッド、バッテリーの試用期限を明記したラベルがAEDの付属品として付いています。
消耗品を交換した場合には、取り換えた消耗品の有効期限を把握できるように、こちらの表示を更新しておきましょう。
AEDのキャリングケース、または本体には、期限管理のタグが付いています。こちらのタグに書かれている期限も書き換えておきましょう。
図. 日常点検タグの上書きの様子
4. 電極パッドとバッテリーの廃棄方法
交換した際に、手元に残る古い消耗品はどうすればいいのでしょうか?
未開封の電極パッドは不燃物、開封した電極パッドは医療廃棄物として処理します。バッテリーは、一般家庭の場合、各自治体の指示のもと廃棄してください。企業や病院に設置の場合は、産業廃棄物として廃棄します。
表.消耗品の廃棄方法
廃棄方法 | |
---|---|
電極パッド | 未開封の場合、不燃物として処理。開封済の場合、医療廃棄物として処理。 |
バッテリー | 一般家庭の場合、各自治体の指示のもと廃棄。企業や病院などに設置の場合は、産業廃棄物として処理。 |
5. 産業廃棄物の処理ってお金が掛かる?
産業廃棄物は、指定の産廃業者に依頼し、マニフェストの取得が必要になるため、コストが掛かります。
古いAEDの買い換えをご検討の方には、無料で下取りを行っています。(※)お見積もりや資料請求は無料ですので、下記ボタンよりお申し込みください。
お電話でのお問い合わせは、0120-812-842より「AEDガイドを見て電話しました」とお伝えください。
※医療・消防機関はサービス対象外となります。
まとめ
消耗品の交換どうだったでしょうか。思ったより簡単だったと思います。
AEDにはセルフテストという機能がついていて、ほとんどの機種が毎日どこか壊れていないかな? という点検をしています。今日挙げた機種は、万が一、交換に失敗していてもセルフテストによってエラーが分かる仕組みになっています。
分からないことがあれば、メーカーのコールセンターや販売店に問い合わせすると教えてくれますので、AEDの日常点検を欠かさずに行うのが大事です。