マンション管理組合や自治会でAEDを検討するときに読むべき記事
この記事は、マンション管理組合、自治会、自主防災会、町内会などでAEDを検討中の方、これから検討を始める方向けの記事になります。
- 来年度の予算で自治会や自主防災会でAEDを設置したい
- 町内会で、AEDをリースで導入できるか知りたい
- マンションに設置したいが、どこに置けばよいのかわからない
こうしたお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マンション管理組合や自治会などでAEDを検討する際によくある疑問や、事前に話し合っておきたいポイント、検討の前提となるAEDの基礎知識について、AED専門店の目線からわかりやすくまとめています。
1.AED導入の前提知識
AEDを導入する前に、あらかじめ知っておきたいポイントをまとめました。
1-1. マンションや自治会にAEDが必要な理由
AEDは原則として法律による設置義務がないため、マンションや自治会に本当に必要なのか、それとも不要なのかと悩む方もいるでしょう。しかし、実際には多くのマンションや自治会などで普及が進み、設置は年々広がりを見せています。なぜ設置が広がっているのか、その理由をみていきましょう。
心停止の約7割が自宅で発生している
日本では、平均して毎日約250人が心臓突然死で亡くなっています。(※1)総務省消防庁のデータによると、2024年に救急搬送された心停止傷病者のうち、住宅で発生した割合は67.3%(※2)でした。心停止は、約7割が自宅という身近な場所で起きています。
救急車を待っているだけだと間に合わない可能性がある
心停止が起きた場合、救命は時間との戦いになります。何も処置をしないまま時間が経過すると、1分ごとに生存率は約10%低下するといわれています。
しかし、119番通報から救急車が現場に到着するまでの全国平均は約9.8分です。(※3)このことから、救急車を呼んだとしても、到着を待つだけでは救命が間に合わないケースが多いことがわかります。
住民がすぐに使える場所にAEDを設置しておくことで、周囲の人が心肺蘇生やAEDを用いた一次救命処置を行うことができます。大切な人の命を守るために、生活に身近な場所へのAED設置が着実に広がっています。
※1 参考:公益財団法人 日本AED財団:AEDの知識
※2・3 参考:総務省消防庁:令和7年版救急・救助の現況
1-2. AEDの初期費用とランニングコスト
AEDは、本体の購入費用(初期費用)以外にランニングコストがかかります。これは、本体とは別に、消耗品として傷病者の体に貼る電極パッドとバッテリーがあるためです。
これら消耗品はAEDを使用した際や、使わずとも2年や4年といった期限があり、その期限ごとに交換費用がかかります。機種にもよりますが、電極パッドが約1.5万円、バッテリーが約4万円が相場です。
また、AED本体にも耐用期間(寿命)が定められており、一定年数を目安に本体の入れ替えが必要になります。
図. AEDにかかる費用

販売店によっては、将来必要となる消耗品の費用を初期費用に含め、交換時期に合わせて消耗品を自動で届けてくれるサービスを提供している場合もあります。(例:AEDコムの保証パック)
1-3. リースができるかどうか
AEDを導入する方法としては、購入、レンタル、リースがあります。なかでも、初期費用を抑えつつ月々の支払いで導入できるリースを希望される方は多くいます。
しかし、一般的にマンション管理組合や自治会など、法人格を持たない団体では、リースができないケースが少なくありません。これは、リース会社が審査を行う際、「法人格があること」を条件としている場合が多いためです。
当社においても以前はリースができませんでしたが、提携リース会社を変更したことにより、現在は多くのケースで法人格のない団体様でもリースが可能となりました(別途審査は必要となります)。実際に、マンション管理組合や自治会をはじめ、多くの団体にAEDをリースで導入いただいていますので、導入方法の選択肢の一つとしてご検討いただけます。
2. マンション管理組合、自治会で導入前に話し合うべき議題
お問い合わせいただく中でも、とくに決めておくとスムーズになる項目を3つピックアップしました。
2-1. AEDにかかるコストを確認する
AEDにかかるコストについては、導入前に確認しておきたい重要なポイントです。
AEDに使える補助金・助成金はあるか
市などの自治体が、AED設置に対する助成金事業を行っている場合があります。自主防災組織補助金、防災組織整備機材補助金、防災組織活動費助成金などといった名目です。AED自体の補助金がなくても、防災の補助制度に含めてもいいという場合がありますので、自治体に相談して確認しましょう。
補助金や助成金については、AEDの販売店に問い合わせても、わからないことが多く、答えてもらえない場合がほとんどですが、近所の自治会などが利用していたなどといったケースでたまに知っている場合もあります。
予算案をしっかり立て、まずは見積もりを取る

- 本体価格はいくらか
- 初期費用がいくらなのか
- メンテナンスに掛かるお金はいくらなのか
会議で「費用が総額でどれくらいかかるのか」という確認は必要になりますので、口頭で聞かずに見積もりを依頼しましょう。見積もりは無料で作成してくれる販売店が多いため、早めに依頼して確認しておくと安心です。
2-2. 設置場所はどうするか
設置場所についてアドバイスを求められることもあります。設置する場合、意識したいのは以下の点です。
AEDは、わかりやすい場所、人が多い場所に設置する
町内会や自治会の場合は、公民館や自治会館に置く場合が多く、中にはコンビニエンスストアに設置しているケースもあります。マンションの場合には、エレベーターホールや入口に設置するケースが多いです。AEDは「誰でもすぐに気づき、迷わず取りに行ける場所」に設置することが重要です。
必要に応じて収納ケースも検討する

AEDを入れる収納ケースをコンビニやショッピングモール、駅などで見かけたことがあると思います。目立つ位置に置きたい、AEDを設置した受付が閉まってしまう場合などに検討しましょう。AEDとは別売りとなります。ケースのタイプによりますが1万円~10万円ほどです。
屋外に置くには屋外専用のケースが必要
屋外にAEDを設置する場合、専用のケースが必要となり、やや高額になりがちです。安価に設置するなら屋内への設置を検討しましょう。
屋外型の専用の収納ケースは、10万円~30万円ほどかかります。場合によっては、設置費や電気工事費が別途必要になる場合もあります。
鍵をかけての設置は避ける

いざというとき、AEDを速やかに取り出せない可能性があるので、鍵をかけて設置することは避けましょう。
施錠してしまう公民館の中、事務室、受付など鍵がかかる場所はあまりおすすめしていません。盗難やいたずらが心配な場合には、動産保険への加入を検討するとよいでしょう。
2-3. AEDの管理はどうするか
AEDを適切に管理・運用するためには、あらかじめ管理者や役割分担を決めておくことが大切です。
AEDは販売店が設置情報を管理する必要がある
主にリコールなどが発生した際、AEDのメーカーには回収・修理・交換の義務があります。そのため、医療機器であるAEDがどこに設置されているかを、メーカーや販売店が把握しておく必要があります。AEDを購入した際には、販売店からどこに設置するか、担当者は誰かなど確認されます。
メンテナンス(日常点検)を定期的に誰が行うか決める
AEDは、日常的な点検が必要です。点検自体はひと目で確認できる簡単なものですが、あらかじめ担当者を決めておきましょう。
弊社で取扱いのあるAEDの日常点検方法はこちらにまとめてあります。点検していただき、疑問やわからないことがあれば、ご連絡ください。
3. 導入後の注意事項
AEDは設置して終わりではありません。導入後も適切に管理・運用していくために、注意しておきたいポイントを確認しましょう。
3-1. 担当者が変わる場合は引き継ぎを行う

AEDの管理担当者が、年度が変わるときに、変更になる場合もあると思います。担当者が代わった場合には、その旨を販売店に連絡しましょう。
販売店によっては、登録されている担当者宛に、設置したAEDの消耗品の期限が迫っていることをお知らせしたり、AEDの耐用期間(寿命)を迎えた場合の連絡をしたりと、定期的に連絡する場合があるためです。
3-2. 定期的な点検・消耗品の交換を行う
AEDを設置した後は、いつでも使用できる状態を維持することが重要です。
AEDの日常点検タグは、必ず「電極パッドの使用期限」と「バッテリーの装着日」が明記されている面が見えるように取り付けてください。これらの表示を参考に、日頃から電極パッドやバッテリーの交換時期を把握し、適切なタイミングで交換を行いましょう。
3-3. 継続的にAEDを周知する
AEDを設置した後は、住民に対して使用方法や設置場所をどのように周知するかを考える必要があります。管理組合や自治会で講習会や防災訓練を定期的に実施し、緊急時に住民の誰もが迷わずAEDを使えるよう、広く周知していきましょう。
AEDの使用方法は、オンライン上の動画などでも学ぶことができます。また、マンションや自治会の規模によっては、消防署による救命講習を実施してもらえる場合もありますので、事前に消防署へ問い合わせてみるとよいでしょう。
最近では、防災訓練とお祭りを組み合わせた「防災イベント」を実施している自治会や自主防災会もあります。AED導入後も一度きりで終わらせず、継続的に周知していく方法を検討することが大切です。
4.まとめ
ここまで、マンション管理組合、自治会などにおけるAED導入のポイントを紹介してきました。AEDの普及率が高まる中で、マンションや自治会、自主防災会、町内会といった生活に身近な場所への設置の必要性は、今後ますます高まっていくといえるでしょう。
AEDの価格や、収納ケースの価格など詳しく知りたいという場合は、下記ボタンよりお見積もりをご依頼ください。お電話(0120-812-842)でも受け付けております。



AEDを設置して、点検作業、消耗品の交換を忘れ、AEDが使用出来ず、最悪死亡して場合、訴えられた事例はありますか?
長尾さん コメントありがとうございます。
私の知る限りはありませんが、事例については、弁護士資格を持つ方だけが閲覧できるサイトで弁護士に確認してもらっています。気になる内容ではありますので依頼することを検討します。
とても有益なサイトですが、誤字のために信頼性が低下してしまいます。修正をご検討ください(屋外肩→屋外型)。
> AEDには、保管適正温度があるため、屋外肩の収納ケースが必要になります。