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「AEDを使うのは不安です」という方へ。AEDに対する不安へお答えします。

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AEDを使うことは、不安があって当たり前です。みんな怖いです。

  • もし、間違って使用したら……。
  • 私が対応することで悪化してしまったら……。
  • 目の前の人を死なせてしまったら……。

本記事では、みんながAEDに関して不安に思っていることを解説したいと思います。

1. 誰でも使えるのだろうか?

日本では、2004年から一般人(非医療従事者)でも、AEDを使えるようになりました。これを読んでいるあなたも使えますし、小学校で心肺蘇生の講習を行っているところもあります。

AEDは電源を入れると、音声ガイダンスや液晶画面に表示されるイラストによって指示を出します。AEDの指示に従って行動を行えばよいので、AEDは誰でも使えます。

電源の入れ方には、AEDの機種によって多少の差はあれど、どのAEDも簡単にできています。AEDの電源の入れ方については、AEDの使い方って同じじゃないの!?電源の入れ方3パターン。で解説しています。

日本語 + 英語の音声ガイダンスが可能なAEDや、耳マークを取得している機種もあります

バイリンガルと耳のマーク

最近は、日本語の指示を出したあとに、続けて英語でも指示を出すバイリンガルのAEDもあります。耳が不自由な人でも使えるAEDには、耳マークが付いています。

2. AEDの使い方が分からない

AEDの使い方については、非常にシンプルです。ここではAEDの使い方だけを記載します。救命の手順については、5. 心肺蘇生法の流れを覚えようにて後述します。

AEDの使用手順

  1. 電源をONにする
  2. 電極パッドを貼る
  3. 電気ショックのボタンを押す

AEDの使い方

AEDを使用するときに、一番重要なことは、AEDの電源をONにすることです。電源さえONにすれば、音声ガイダンスが開始するのであとは従うだけです。

救命の手順では、AEDを使う前に119番通報をしているはずですが、119番通報を忘れている可能性も考えて音声で促したり、心臓マッサージや人工呼吸を行うタイミングについても、音声で教えてくれます。

電気ショックのボタンを押す場合は、必要なときにのみ「押してください」とガイダンスが流れます。押すボタンについても、ボタンがひとつしかなかったり、光ったりと、分かりやすく製造されている機種が多いです。また、必要なとき以外にボタンを押しても電気ショックは流れません。

AEDが判断します

心臓がけいれんしているときにしか、電気ショックは必要ではありません。きちんと電極パッドを貼れば、電気ショックが必要かどうかもAEDが判断します。

また、不要な場合でも、その後どうしたらいいかも、AEDが音声でガイダンスしてくれます。

3.AEDを使ってよい人と、使ってはいけない人の区別が分からない

AEDを使っていい?

電源を入れると、AEDが判断して何をすればいいかを教えてくれることは分かったとはいえ、

  • そもそもいつ使ったらいいの?
  • 小さい子どもにも使用して大丈夫?
  • 元気な人にも使って大丈夫?

といった疑問もあるでしょう。

AEDを使用するときは、どんなときでしょうか? それは、傷病者の意識がなく「呼吸の確認ができない」ときです。

倒れた原因は不問です。怪我や病気といったどんな原因であっても、意識がなく、呼吸の確認ができないときは、AEDの使用はもちろん、一次救命処置を開始しましょう。

AEDの手順や操作を間違えてしまっても、救命目的であれば法律で守られています。あなたがAEDを使って、救命をしたにも関わらず、もしも亡くなってしまったとしても、救命行為は褒められるものであるべきです。

妊婦や赤ちゃんへの使用って?

妊婦や赤ちゃんにもAEDは使えます。妊婦は母体を蘇生させないと、おなかの赤ちゃんも死んでしまうためです。また、AEDは0歳児から使えます。

4.AEDを使ったことで、逆に悪化したら。救急車を待った方がよいのでは?

悪化したら救急車待った方が良い?

心停止している人を放っておくと死にいたります。胸を押して肋骨を折ってしまうことやAEDを使うことで何かしら悪化することを危惧するのではなく、心臓の機能が停止しているため、それ以上悪くなりようがないと考えるのがいいと思います。

心停止してから1分間で約10%助かる可能性が下がっていきます。救急車が来るのは全国平均で8.7分(※)です。8分も何もせずに待っていたら助かる確率は極端に下がります。

逆に私たち一般人が、心肺蘇生とAEDを使った場合、1か月後の生存率は55.9%です。(※)およそ半数以上の人が助かる計算ですので、いかに早く行動するかが重要です。
※総務省消防庁:令和元年版救急・救助の現況 救急編より

有事の際に、何をすればいいのかと不安になったり、分からなくなったりしたときも、119番通報をすれば、通報を受けた指令センターの人が、その後のやり方を教えてくれます。

5. 心肺蘇生法の流れを覚えよう

救命の手順や方法が分からないという方に向けて、AEDガイド(本サイト)では、さまざまな年齢の方や立場の方が見られるのを考慮して、いろいろな見せ方で救命の手順を書いています。

AEDの使い方や、一次救命の流れをまとめた記事を一部ご紹介します。

一次救命処置の流れを知りたい方向け:【解説】一次救命処置の手順。心肺蘇生法ガイドライン2015版

まずは、基本的な流れとイラストでまとめた記事です。

【解説】一次救命処置の手順。心肺蘇生法ガイドライン2015版のサムネイル

年齢別の対応について詳しく知りたい方向け:「倒れた人の年齢で心肺蘇生の方法は違う」年齢別の対応表作りました。

年齢別の対応についてまとめている記事です。

「倒れた人の年齢で心肺蘇生の方法は違う」年齢別の対応表作りました。のサムネイル

マンガで解説:【2分で確認】マンガで覚えるAEDと心肺蘇生。

マンガで心肺蘇生法の流れについて解説しています。

【2分で確認】マンガで覚えるAEDと心肺蘇生。のサムネイル

小児・乳児をメインに解説:小児・乳児の救命手順、小児一次救命処置(PBLS)【特に乳児の保護者様へ】

小児に関わることの多い方(保護者や保育士)に向けてまとめています。

小児・乳児の救命手順、小児一次救命処置(PBLS)【特に乳児の保護者様へ】のサムネイル

記事に飛ぶのが面倒な方、もっと簡単に教えてという方に簡単にまとめると、倒れた人への流れは次の通りになります。

心肺蘇生の流れ

  1. 反応(意識)を確認する
  2. 助けを呼ぶ・119番通報(以降は教えてくれます)・AEDの手配
  3. 呼吸の確認
  4. 呼吸の判断に迷ったら、すぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)
  5. 胸骨圧迫を続ける
  6. AEDを使う
  7. 人工呼吸(出来る技術とその意思がある場合)
  8. 胸骨圧迫(と人工呼吸)とAEDの繰り返し

2020年はガイドライン更新の年です

こういう手順の流れは、ガイドラインがあります。2020年2月時点の最新は心肺蘇生ガイドライン2015です。5年ごとに更新されていますので、2020年はガイドラインが更新される予定です。

6. 失敗したら訴えられるのでは? 女性の服を切ったらセクハラでしょ?

失敗したら訴えられる?

弁護士に確認してもらったところ、人命救助をした一般人が訴訟になった事例は見つかりませんでした。(2018年10月調べ)

「どこかのニュースで見た!」と心当たりのある方は、対象が教師や、医師や看護師ではなかったですか?

生徒を保護すべき義務を負う教員や、医療従事者のような立場の方は一般人と違って、監督責任があるため過去に争われた事例はあったそうですが、一般の人が倒れた人を助けたケースで、裁判になった事例はありません。

【弁護士に聞いてみた】AEDを使ってもし人が亡くなったら罪になりますか?で、詳しく解説していますので、興味のある方は読んでみてください。

また、AEDについては、女性への使用もたびたび問題視されています。「倒れた女性の服を脱がしたらセクハラでしょ?絶対そう!だから私はやらないんだ。訴えられるだけでリスクありすぎ!」という声もあるでしょう。

まず、AEDを使ってセクハラ(痴漢)になるのはデマです。強制わいせつに該当するかがポイントになりますが、救命を目的としているので性的な意図はなく認定されません。

「でも訴えるのは自由でしょ?」という返答もよくあります。訴えるのは自由ですが、弁護士いわく事例がないこと、助けてもらった人が訴えることが考えにくいこと、訴えたとしても費用や時間がかかるうえに、勝つのが難しいことを弁護士が伝えるはずですので、訴えられるケースも考えにくいと思います。

こちらも、詳しくは、【弁護士に聞いてみた】AEDを使ってセクハラになる可能性ってありますか?の記事で取り上げています。

7. 救命講習に参加しよう

救命講習

なんとなく救命の手順や、AEDの使い方は分かってはいるけれど、実際にできるかどうか不安という方は、とても多いと思います。

やはり、大事なのは練習です。受ける講習にもよりますが、消防署で行われている救命講習では、マネキンを利用して実際に人工呼吸や胸骨圧迫(心臓マッサージ)を体験できます。

AEDを使用する流れを体験することで、どんな音声が流れるのか、胸をどのくらい押したらいいのかを確認できるのはとても大きいと思います。また、救命のプロである消防署の職員の方に色々な不安や疑問を尋ねることもできるいい機会です。参加した際には、疑問に思っていることを聞いてしまいましょう。

まとめ

AEDは初めて使う人でも使えるようにできていますが、それでも不安は付き物です。誰だってそうだと思います。

とくに、他人に対しては難しいと思いますし、それが異性であったり、子供だったりしたら怖いのは当たり前です。正しい知識の習得、講習を受けた体験は自信につながります。

まずは、あなたの大事な人、周りの人だけでもという気持ちでよいと思います。医師や看護師ほどの知識がなくとも119番通報する・胸を押す・AEDを使うといった行動で命が救えますから、できる範囲で動いていただけたら嬉しいです。

参考文献

  • 「救急蘇生法の指針2015(市民用・解説編)」株式会社 へるす出版(2016年3月31日)
  • 「令和元年版 救急・救助の現況:救急編」総務省消防庁

この記事を書いた人

清水 岳

清水 岳

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は10,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

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