唯一のAED国産メーカー日本光電より、2019年4月に新製品が販売されました。それが液晶付きのAED「AED-3150」です。定価500,000円という強気の価格設定に、正直販売店は動揺しました。
しかし、その価格設定の理由は、誰にでも「使いやすいAED」にこだわった日本光電の技術が詰まっています。
メーカーからの情報提供を元にAED-3150をご紹介します。初めてAEDを買う方や分かりやすいAEDをお求めの方におすすめです。
1. 目で使い方が分かる液晶付きAED
AED-3150には、3.5インチの液晶が付いています。この液晶では、イラストがアニメーションで動くため、AEDを使う人は、次に何をすればいいのか目でわかります。
音声が聞こえにくい場所でも救命ができることを目指したAED-3150。まずは、一番のポイントである液晶付きのメリットを紹介します。
1-1. スマホと同じ3.5インチの大型液晶サイズ
3.5インチというサイズは、一見小さいように感じますが、iPhone4と同じインチ数ですので、見やすい大きさといえます。
以前のAED-2150というAEDの液晶サイズは(約3.0インチ)ですので、約1.17倍ほど大きくなっています。視認性がよくなりました。
1-2. 液晶カラー表示で分かりやすく
AED-2150でモノクロだった液晶はカラーになりました。カラーになったことで、より傷病者と救助者(バイスタンダー)の区別が液晶上で付くようになったり、行うべき救助作業が明確になったりと、パッと見て分かりやすい点はメリットといえます。
イラストには吹き出しでセリフも付くため、どんなことを具体的にやればいいのかに加えて、周囲に何を喋ったらいいのかも分かる仕様です。
1-3. 触っていけないタイミングが分かる「タイムーバー」の表示
AEDは心肺蘇生の方法や、電気ショックを行うタイミングをガイダンスしてくれる医療機器です。
主な流れは、心肺蘇生と心電図の解析(電気ショック)を繰り返すのですが、心肺蘇生を2分間行ったあと、心電図の解析になります。
この「タイムーバー」の機能は、心電図解析までの2分間が液晶画面の上部にタイムラインが表示されるものです。端的にいうと、よく皆さんが怖がる電気ショックのタイミングで「傷病者から離れてください」という音声ガイダンスが流れますが、このタイミングが目で分かるものです。心構えができますし、すぐに傷病者から離れることができるため、使用者にとって、いい機能です。
1-4. 文字でも分かる! 「テキストメッセージ」
アニメーションだけではなく、「電気ショックが完了」、「胸骨圧迫と人工呼吸を開始」などの行為も、AED-3150では文字で分かります。行うべき動作が文字と画で分かるわけです。
後に記載しますが、バイリンガルの機能を搭載したAED-3150JEも同時発売です。過去のAED-2150では、音声はバイリンガルになっても液晶は日本語表記のままでしたが、AED-3150ではテキストメッセージもバイリンガル対応になりました。
東京オリンピックが2020年に控えており、ラグビーワールドカップなどの国際交流の機会が増えるグローバルな社会にも対応した、アップデートだと思います。
1-5. 音声とイラストが同期するから迷わない
AED-2150は、音声とイラストが連動し、胸骨圧迫などの救命の手順をも教えてくれる画期的なAEDとしてお客様から高い評価を得ています。しかし、お客様からより分かりやすく救命の手順を表示してほしいとのご要望により、AED-3150は液晶画面の高輝度フルカラー化とあいまって音声とイラストの同期がより鮮明になり、救助者が迷うことなく救命処置ができる工夫が随所に凝らされています。
誰も気にしないような点かもしれませんが、実際に救命処置を行っているとき、音声以外に液晶があるAEDですから、救助者が戸惑ってしまう可能性を考えたユーザビリティに富んだアップデートです。
1-6. 暗闇で使えるAED
これも液晶にまつわることですが、液晶が光源となって暗い場所や夜間でもAEDの手元が分かるため、音声ガイダンスだけの従来のAEDに比べて、さまざまなシチュエーションで使えるAEDとなりました。
2. 高い防塵・防水。完全防塵の「IP66」
AED-3150はIP66の保護等級を誇っています。
左側の数字で第1数字記号が「防塵」の等級、右側の第2数字記号が「防水」の等級を表しています。数字が大きいほど防塵・防水のレベルが上がります。
防塵の最大数値は6で、粉塵の侵入を完全に防ぎます。防水レベル6はあらゆる方向からの強いジェット噴流でも有害な影響を受けない防水レベルです。
2019年4月現在、日本国内で販売されているAEDではAED-3150以外にIP66に準拠しているAEDはありません。
3. 胸骨圧迫の中断時間を短縮! その3秒を短く
AED-3150は、「連続VF/VT解析アルゴリズム」という機能を搭載しています。(VFは心室細動、VTは心室頻拍の意)
従来のAEDと比較して、2回目の心電図解析に使う時間を最大で3秒短縮しました。たった3秒と思うかもしれませんが、AEDのメーカーは、いかに早く心臓の状態を解析して、電気ショックできるかを競っています。
1分で約10%救命率が下がるといわれていますから、1秒にこだわった日本光電の技術が詰まったポイントです。言葉は難しいので簡潔に説明すると、AED内部で常に心電図を解析していることによって、解析時間を短くするという機能です。
胸骨圧迫をしている最中も心電図を解析するわけですから、自然と心電図が乱れるのが普通なのですが、ノイズ除去を可能にした新しい電極パッドとの併せ技により可能となりました。地味に見えて実はすごい機能です。
4. あなたに届け! 現場の声を録音
意外に思われるかもしれませんが、昔のAEDやプロ用のAEDを除いて、現在、救命時の音声データを録音するAEDはありません。心電図のデータなどが主です。事後検証に使われることが多いと思われますが、AED-3150は、救命時の周囲の音声も録音できます。
5. 「あなたの勇気ある行動に心から感謝いたします」
たびたび、救命の話題にあがるのが、救助者(バイスタンダー)の心のケアです。手助けをしても助からなかった、助かったとしても壮絶な現場を忘れられないなど、非日常を目の当たりにして、心を病んでしまうケースもあります。
AED-3150では、「あなたの勇気ある行動に心から感謝いたします」のメッセージがAEDを使い終わったあとに表示されます。ちょっとした一言で救われることもあります。社風が伺える機能に感じます。
6. 好評なAEDリンケージを搭載し、遠隔監視機能を強化
日本光電のAEDでは、いまや定番の遠隔監視システム「AEDリンケージ」は、本機種にも搭載しています。
7. 使いやすくなったバイリンガル機能
バイリンガル機能については、軽く前述しましたが、日本語の後に英語が流れるバイリンガル機能を持ったタイプ(AED-3150JE)もあります。
たとえば、「胸を裸にして、AEDのフタから四角い袋を取り出してください。」のガイダンスの後に「Remove all clothing from patient’s chest. Remove square package from AED.」と案内します。
音声ガイダンスと同様に、液晶の表示でもバイリンガルで日本語から英語の順番で液晶にテキスト表示がされます。
まとめ
AEDメーカーで唯一、AED本体と電極パッドの両方を日本で作っている日本光電が自信をもって発売した「AED-3150」。いかがでしたでしょうか。
私の印象は「使う人のために作られたAED」というイメージです。倒れている人は心停止していますから、何もすることはできません。AEDも使う人がいて初めて救命に使えるわけですから、いかに分かりやすいか、迷わないか、早く行動できるかという点にこだわったAEDだと思います。
本記事であげた機能以外にも、成人・小児の切り替えや、毎日のセルフテスト、軽量小型化などが詰まったAED-3150。新製品の発売を記念して、期間限定(台数限定)でAED-3150のキャンペーンを実施しています。その他の格安AEDと一緒に価格、機能の比較をしてみてはいかがでしょうか。お見積もりは、下記のボタンよりお申し込みください。