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NF 1200|シンプルで使いやすい、廉価版AEDの魅力7選。

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iPAD NF 1200は、価格に優れた普及モデルのAEDです。シンプルな設計のため分かりやすく、使いやすいというメリットがあります。

機能が多くて難しいのは嫌、という方や、出来るだけAED導入のコストを抑えたい方にメリットのあるAEDです。

シンプルで使いやすい、価格が魅力のAED。

当記事では、「iPAD NF 1200」について機能や特徴、メリットを細かく説明しています。NF1200はシンプルで分かりやすくお値段も安いAEDですが、自分にピッタリなAEDかどうかを判断するために、是非当記事を参考にしていただけたらと思います。

1. IPAD NF1200の特徴

1-1. シンプルで分かりやすい

IPAD NF1200本体

IPAD NF1200の一番の特徴は、何よりシンプルで分かりやすいことだと思います。とてもオーソドックスな作りで、ボタンにしろそれ以外にしろ余計なものがないので、使用方法で迷うことはほぼないのではないかと思います。

ボタンの配置や色も、分かりやすさを重視して作られていると思われ、赤色の本体に緑色のボタンはとてもよく目立ちます。電源ボタンには電源マークが書かれているので、これが電源ボタンだとすぐに分かるのではないかと思います。

電源ボタンの横には、点滅するインジケータがあり、その横にはエラーがあった時などにその情報を教えるための「iボタン」があります。このiボタンについても、iは百貨店等にあるインフォメーションを連想させ、直観的に情報ボタンだと分かる人も多いと思います。

iボタンは白色なので、電源ボタンと比べると目立ちません。緊急時に誤認することが無いように気を付けられた配色だと思います。

ついているボタンは、緑の電源ボタンと、白いiボタン、そして、蓋をあけると見つかる、黄色い三角の電気ショックを行うためのボタンだけです。そしてそのどれもが、そのボタンが何をするボタンなのか、直観的に分かるような配色、図柄にしてあります。

このシンプルさと、分かりやすい設計が、いざという時のパニック時にAEDを間違いなく使用するのに役立つと思われます。

1-2. 価格が安い

IPAD NF1200は価格が安い。お金の話

1-2-1. 機能と価格の話(新機能とガラパゴス携帯)

新しいAEDが登場すると、そのほとんどが、新機能を搭載してリリースされます。新機能はAEDをより使いやすく、より便利にしてくれることが多いので歓迎すべきことだといえますが、そうではないという見方もできます。

よく、日本の「ガラケー」といわれる携帯電話にいわれたことですが、こうやって新機能、新機能、とやっていくと、自分が使わない無駄な機能がついて、その分価格が高くなる、という現象が起こります。

新機能によってメリットをうける人にとっては価格の上乗せはなんら問題ないと思いますが、新機能を使わない人たちにとって、使わない機能のために余計にお金を支払うことは、果たして納得いくことでしょうか。

そういう観点から、AEDに最低限必要な機能だけに絞って、シンプルさと使いやすさを追求したNF1200という機種は、価格の観点からは非常に魅力的な機種だと考えることができます。

1-2-2. 機能と価格の話(小児用電極パッドと小児用モード)

非常に分かりやすい具体例だと、新型のAEDは、ほとんどが成人と小児(未就学児)双方に使用できる大変便利な設計になっています。しかし、iPAD NF 1200は小児に使用する可能性があるところでは、従来の成人用電極パッドと、小児用電極パッドの両方を購入する必要があります。

成人用と小児用の両方を交換していかないといけないNF1200と比較し、新型AEDは両用電極パッド1つで交換が済むため、コストは抑えることができ、交換の手間も削減されるというメリットがあります。

このメリットが大きいため、新しく出るAEDは、AED本体についている切り替えスイッチを切り替えることで、同じ電極パッドで成人と小児の両方に使用できる仕様となっています。

しかし、未就学児(0歳~およそ6歳未満)への使用が想定されないお客様にとって、この機能は必要でしょうか。

かつては、AEDからでるエネルギーは変えずに、小児用電極パッドに抵抗を入れることでエネルギーを弱め、小児に使用できるような仕様にしているものが多かったですが、新しいAEDは、切り替えスイッチを変えることで、AED自体から出力されるエネルギーを変えることができるのです。

これを可能にするには、AED内部にそれを可能にする回路を加え、スイッチを付け、その部分が占有するスペースを捻出するために既存のスペースを縮小できる技術開発が必要となるなど、様々な費用がかかり、それがAEDの価格に上乗せされることになります。

1-2-3. 機能と価格の話(まとめ)

新機能による価格の上乗せ、小児用の必要有無によっては、IPAD NF1200が最も理想的、という方も多数いらっしゃるだろうことが想像できます。

最低限必要な機能に抑えることで、価格を最低限に抑えた機種がIPAD NF1200だと思いますので、そういったAEDをご所望の方は、この機種を選ばれるのが最善だと思います。

筆者注記1:未就学児が対象の場合は、モード付きがお得。

※未就学児AEDを使用することが想定されるところに設置される場合は、モードを搭載し、全年齢に同じ電極パッドで使えるタイプのAEDを選択されると、小児用パッドを購入しなくて良いのでトータルコストでみるとお得になることが多いです。

1-3. 使い方が一般的

IPAD NF1200の表面カバー

NF1200は、とてもオーソドックスな仕様のAEDです。ここでいうオーソドックスというのは、現在普及しているモデルに近いという意味で使用していますが、現在普及している、数年前に市場で人気だった商品と同じような仕様、ということです。

消防署などでAEDの講習を受けたことがある人は、 こういった、オーソドックスなAEDで講習を受けていると思います。

現在はプリコネクト式のものが一般的ですし、電極パッドも、成人と小児の両方に使える両用電極パッドを採用しているモデルが多いです。しかしオーソドックスなものは、電極パッドはコネクターに差す必要があるし、成人には成人用パッドを使用し、小児には小児用パッドを使用する、というものがほとんどです。

プリコネクト式とは

電極パッドがAEDの本体に予め接続されているタイプのことです。救命時に電極パッドを本体に挿す手順が不要になります。

このことから、今までAEDの講習を受けた人の多くは、そういったオーソドックスなAEDの使い方を習っているので、それが普通になっており、そのように使うのが当然だと思っていると思います。そういった人たちが緊急時に新型のAEDを使おうとすると、「何か違う!」と戸惑うことと思います。

そういった戸惑いが躊躇に繋がり、AEDを使用するのをためらってしまう。という結果に繋がらないこともないので、講習で習ったのと同じ仕様であることは、非常にメリットのあることだと思います。

講習をする消防署も日本に数多くありますし、AEDも20万円~30万円と高価なものですから、講習で使用されるAEDが新しいタイプに入れ替わっていくのには時間がかかると思います。

そうだとすると、今も旧型のAEDで講習を受けている人が沢山いることになるので、その人たちの使用しやすさを考えると、少々旧型でもオーソドックスなAEDを選ばれることは合理的かもしれません。

1-4. 赤くて見やすい

IPAD NF1200 ロゴマーク

NF1200は、「赤色」が非常に目立っていいという評価を得ることがあるようです。

AEDは、AEDとして認知されることで、イザという時に使用される可能性が高まりますが、赤色は非常に目立つので、その役割を果たすのに非常にいいとの評価です。NF1200の赤色が気に入って購入に至るケースもあるようなので、NF1200の色は、1つの大きなメリットであると捉えることができると思います。

調べてみて私も驚いたのですが、日本で売られているAEDで、赤色のものはNF1200しかありません。ケースが赤色のものがあり、その機種が非常に普及したためか、私もAEDは赤というイメージがあったのですが、本体が赤色なのはNF1200だけでした。

実際にAEDを使用するときは、ケースを開けて使用します。その時に赤色ということは、「AED」であることを主張して、周囲の人の状況認識を助けるのではないでしょうか。一般の人たちがAEDについて思い浮かべる色をしているということは、大きなメリットなのではないかと最近は考えています。

1-5. 価格の割に、防塵防水に強い

IP54

AEDを購入される際に、ぜひ確認しておいていただきたい性能基準の1つに、IP54 というような、IP〇×というIPという言葉の後に数字が二つ並んだ数字があります。これは、防塵性能、防水性能を示しています。最新のAEDは、IP55というものが多いですが、今売られているAEDの中でも、IP21という防水防塵性能のものがあります。

具体的に、IPの数字に当てはめて、それぞれどのような防塵防水性能なのかを見ていただけたらと思います。

IP55 (最新AEDに多い保護性能)

  • 防塵性能 = 5 :機器の正常動作や安全性を阻害するほどの粉塵が、内部に侵入しない。
  • 防水性能 = 5 :あらゆる方向からの噴流水によっても、有害な影響を受けない。

IP21 (古いAEDに見られる保護性能)

  • 防塵性能 = 2 :直径12,5mm球体の検査物体が、部分的にしか内部に侵入しない。
  • 防水性能 = 1 :垂直に落下する水滴によって、有害な影響を受けない。

IP54 (IPAD NF1200の保護性能)

  • 防塵性能 = 5 :機器の正常動作や安全性を阻害するほどの粉塵が、内部に侵入しない。
  • 防水性能 = 4 :あらゆる方向からの水飛沫によっても、有害な影響を受けない。

IP性能は、屋内でしか使わなければ全く心配する必要はありませんが、屋外で使う場合には大きな問題になってきます。

IP21の性能をみると分かりますが、まずこの防塵性能のAEDは、1.25cmより小さい物体であれば内部に侵入する可能性が有るということです。

小さ目の塵ならば簡単に内部に入ってしまうことになりますので、屋外にもっていくと、塵や砂が入り込んで、場合によっては故障に至ることも心配になってきます。

防水性能で言えば、垂直に落下する水滴には影響を受けないとのことですが、雨は垂直に落下してくるとは思えません。傷病者の所までAEDを運ぶ際、雨が降っていたら、運んでいる最中に雨が本体に入り、異常をきたすことも心配になってきます。

こういったことから、屋外で使用されることがちょっとでも想定される場合には、IP性能が高いものを選択するのが安心です。

新しいAEDで、IP55のものが多いのも、そういったニーズが多いからなのだと思います。IPAD NF1200はIP55ではないですが、IP54と塵にも水にもある程度強い仕様ですので、価格の割には防水・防塵性能の高いAEDではないかと思います。

2. 2010年以前のAEDに多い特徴

IPAD NF1200は、2010年頃に販売開始されたAEDです。

2-1. 価格が安い

IPAD NF1200は価格が安い。シンプルだと安い?古いと安い?古いと悪い?

古めのAEDは、やはり価格が安いです。1つは、機能が最新のものと比べてシンプルなため、原価が比較的安い、ということがあると思います。もう1つは、長い間売っているうちに、研究開発費等を回収し、安めに販売しても利益がでる、という状況に至ったということも考えられます。

また、商品の常として、新しいものはしっかりとした値段が付き、古くなってくるにつれて価格が割り引かれていくという傾向があります。この3つの特徴のため、古めのAEDは、最新AEDと比べて割安で購入できるのだと私は認識しています。

もちろん、AEDの心電図を解析する技術や、電気ショックを正確に効果的に行う技術等も日々進化していることと思います。そうであれば、新しいものの方が性能はよくなっていると思いますが、このあたりは、臨床実験もできませんし、本当に技術が向上しているかどうか、私のレベルでは判断ができません。

また、もし救命率に飛躍的な影響を与える程技術が進んでいることが明らかな場合は、旧式を排除し、新式に変えていく動きが起こるはずだと想像しますが、今のところ、私が知っている限りではそういう動きはないようです。

そのあたりを考えると、古いものが明らかに劣っていると考える必要はないのではないかと思いますので、コストメリットで古いAEDを選択されるのも、悪い選択肢ではないと考えています。

2-2. 多くの人が使い方に慣れている

IPAD NF1200のリファレンスガイドインジケータ

1-3. 使い方が一般的でも書きましたが、AEDが急速に普及する時期に主流だったのが古めのAEDだったため、消防署などの講習でも、古めのAEDを使って講習をすることが多いです。

電極パッドは本体に接続されていないので、電極パッドの袋を破いて、コネクターをAED本体に挿して使用します。

電極パッドは成人用と小児用が別なので、成人に使用するときは成人用電極パッドを使用し、小児に使用するときは小児用電極パッドを使用する、と教えられます。

もちろん、最近では切り替えスイッチつきのものもあると教えられますが、実際に使用するAEDに切替スイッチがないので、言われただけでどういうものか理解できずで終わってしまう可能性もあります。

AEDの使い方を習う機会は年に何度もないと思いますが、そういう機会に習うのが古めのAEDを使った使用法です。

そのため、その使用法が、AEDはこういうものだ、という風に脳にインプットされるのではないでしょうか。そうインプットされている方々にとっては、新型のAEDよりも、古めのAEDの方が、習った通りに使えるので使いやすいのではないかと思います。

AEDを使用するときは、1分1秒を争う緊急時です。ちょっとしたことでも躓いて、大きな時間のロスをしてしまうことも大いにあり得ます。

AEDを設置された担当者は、しっかりとAEDの使い方を確認されるでしょうから、緊急時にも使い方に迷うことは少ないとは思いますが、誰が使用するか分からないのがAEDです。

そういった意味では、一般の方々に使い方が周知されている古めのAEDを選ばれるのも、良い選択肢かもしれません。

この記事を書いた人

清水 岳

清水 岳

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は14,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

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