2020年9月にバンダイから発売され、ネット上で話題になり、テレビなどのメディアでも取り上げられたガシャポンミニチュアAED。あっという間に売り切れになり、再販が決まったAEDのガチャポンです。
探したけど手に入らなかった方、持っているフィギュアにAEDを持たせて遊んだ方など多いのではないでしょうか?
唯一の国産メーカー日本光電のオフィシャルライセンス商品とあって、本物とそっくりと噂のミニチュアAED。
どのくらいそっくりなのか、気になりませんか? そう、我々は実機を持っているということで、AEDガシャポンと本物のAEDを比べてみました。
1. ミニチュアAEDと正式名称
ガシャポンミニチュアAED
2020年9月第2週発売 全4種 / 各300円(税込)
実物のAED
①~③番までは、AED-3100シリーズと呼ばれるAEDで医療機器承認番号はすべて同じです。(22700BZX00187000)
つまり、医療機器としては同じシリーズのAEDとなります。AED-3100がベースとなっていますので、 2015年度普及モデルをメインに比較していきたいと思います。
なお、④番のmobileAEDだけは、まだ2020年11月現在では世に出ていないので、実機はありません。。
2. ミニチュアとのサイズ感
ガシャポンは実機のおよそ5分の1スケールでした。サイズは以下の通りです。
サイズ(mm)
ガシャポン : 高さ約50 × 幅約37(取っ手込み) × 奥行約21 mm
実機 : 高さ252 × 幅206 × 奥行96 mm
3. 普及モデルAEDとAED-3100を比べてみた
外観
まずは、外観の比較です。AEDはキャリングバックと呼ばれる専用のバックに入っています。
ガシャポンも、このキャリングバックに入った状態でデザインされています。
キャリングバッグの取っ手も可動します。実機の持ち手部分はゴム製で握りやすくなっています。
側面
AED-3100は、キャリングバックに入れた状態で縦に置くことができ、ガシャポンも縦置きが可能です。
背面
ミニチュアと実機で違う部分として、実機の背面には、スピーカーの窓が開いています。
これは、AEDに異常がある際にエラー音が鳴るのですが、キャリングバックに入れている状態でも この音が聞こえるために開いています。
キャリングバックを開けてみよう
開封したところはそっくり。
電源スイッチ
電源スイッチもよく似ています。実機は、このスイッチを外側に引っ張ると蓋が開き、AEDの電源が入ります。
ガシャも同様にスイッチを引っ張ることができます。
ステータスインジケータ
AEDには、異常がないかを自動でテストする機能がついています。写真はステータスインジケータと呼ばれるテスト結果が表示される場所で、これは正常に使用できる状態です。
異常があればこのランプが赤に変わります。
成人・小児モード切換スイッチ
AEDを使う対象を傷病者(しょうびょうしゃ)と呼びますが、傷病者の年齢によってモードの切り換えを行います。ミニチュアにも成人・小児モード切換スイッチがあり、動かすことが可能です。
実機は、モードを変える度に、今どのモードか分かるようになっています。
ショックボタン
実機では、傷病者を見ながら誰も触っていないことを確認しショックボタンを押すため、手探りでも分かるようにボタン周りは少し突起していて、ボタンの触感も周囲と違うようにデザインされています。メーカーの日本光電はこのあたりにも非常にこだわっていて、シンプルな設計になるよう、ボタンは一つしかありません。
画面(パネル)
どこに電極パッドを貼ればいいか分かるイラストがついています。 実機は音声ガイダンスに合わせてパッド貼り付け部分が光り、見た目からでもどこに貼ればいいか分かるように案内します。
電極パッド
外袋
電極パッドの袋です。ミニチュアは取り出しやすいように袋の下部分が開いています。実機は、密閉されており、レトルトパックを開ける要領で開封します。
開封して取り出した画像です。救命講習で「電極パッドをAEDに差してから貼る」、または「貼ってからAEDに差す」と覚えている人もいるかもしれませんが、AED-3100はプリコネクト式(予めAEDに電極パッドが差してあるタイプ)を採用しているので、開封後すぐに貼ることができます。
電極パッド表面
こちらもそっくり。色分けされていて、どこに貼ればいいのかが分かります。傷病者が未就学児だった場合は、胸と背中に貼ることもイラストのみで分かりやすく描かれています。
電極パッド裏面
パッドの裏面部分は、実機は乾燥しないように考慮されています。実際に使う際はこのブルーのシートを剥がして、傷病者に貼り付けます。
4. AED-3150を比べてみた
AED-3150は液晶付きのAEDで、AED-3100に液晶がプラスされたと考えると分かりやすいです。ほとんどがAED-3100と同じですので、AED-3150の特徴的な部分を比べていきます。
バイリンガル仕様なので、日本語→英語のバイリンガルシールが貼られています。
フタ部分がラベンダー色になっています。
AED-3100では、電極パッドを貼る位置のイラストがありましたが、AED-3150ではこの部分が液晶になっています。
AED-3150は、カラー液晶によってAEDの使い方や胸骨圧迫やり方などが目で分かります。
液晶のイラストと音声も同期されているので、分かりやすい機種です。バイリンガル仕様なので、日本語のアナウンスのあと、英語のアナウンス(音声・映像)が流れます。
バイリンガル仕様ではない場合は、日本語のみとなります。
5. AED-3151を比べてみた
AED-3151は、消防・医療向けのAEDです。AED-3150の液晶アナウンスに加えて、電極パッドを傷病者に貼ると液晶に心電図も映し出されます。
心電図がうっすら見えるデザインです。こちらもバイリンガル仕様のモデルになっています。
キャリングバックを開けたところは、AED-3150と一緒ですね。
液晶部分の比較です。テキストでも案内がでますし、心電図も確認できます。一般の方が、AED-3151を目にしたり、使ったりするケースは稀だと思います。
6. mobileタイプのAED
冒頭にも書きましたが、まだ世に出ていないAEDです。もう少しするとお披露目になるかもしれませんが、今のところ、実機と比べることができないので、ガシャポンの写真だけ掲載します。
ここからは考察になりますが、AED-3100シリーズに比べるとサイズが小さいことから、かなり軽いであろうということ、またシンプルな設計になっていることが分かります。
AED-3100シリーズは蓋を開けると電源が入るタイプですが、mobileAEDには、電源ボタンが見えることから、電源ON/OFFの方法が現行のシリーズとは違う可能性があります。
7.まとめ
実機とミニチュアの比較いかがでしたでしょうか。
普段のAEDは会社や駅に置いてあっても、中を見る機会は少ないと思います。ましてやキャビネットなどのケースに入っている場合も多いので、緊急時以外は見ることはありません。
AEDには訓練用のトレーナーというものもありますが、実際の心停止した現場で使われないように、デザインが違うことがままあります。
ミニチュアAEDでどんなデザインになっているか、どんな機能があるか、確認してみるのはいかがでしょうか。
- ガシャポンミニチュアAED製造販売株式会社バンダイ
- ガシャポンミニチュアAED監修:日本光電工業株式会社