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CU-SP1|機能と価格のバランスに優れたAEDの特徴11選

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「CU-SP1(シーユーエスピーワン)」は2013年に発売されたAED(自動体外式除細動器)です。小学生〜大人・未就学児用モード切り替え機能付きで、電極パッドがプリコネクト型の、トレンドの機能がほぼ網羅されたAEDです。

日常点検や消耗品の期限管理がしやすいよう工夫されたインジケーターが特徴的で、機能と価格のバランスが非常にいいAEDです。現行で販売されているAEDの中で唯一バッテリーが5年間持つので、保証期間中にバッテリーの買い替えが必要ないという特徴があります。

CU-SP1の特徴的な機能が分かる

CU-SP1がなぜランニングコストが優れているのか、プリコネクト型やトレンドの機能にも触れ、CU-SP1の特徴について詳しくまとめました。機種選択の参考にしていただけたらと思います。

1. CU-SP1だけの特徴

1-1. 5年間持続する長寿命バッテリー

CU-SP1のバッテリーの写真

AEDのバッテリーの持続期間は機種によりさまざまで、以前は充電式のものもありました。充電式だと残量が残っているのかどうかが判断しにくいという見解からか、現在は充電式は見なくなりました。バッテリーの買い替えは、そこそこの支出になるため、充電式のバッテリーが欲しい、というご要望もたまにいただいています。

CU-SP1は、この充電式に近いメリットを持ったAEDです。つまり、AED本体の保証期間である5年間、バッテリーが持続するのです。(※1)

※1. バッテリーの持続期間は、他の電池と同様に使用状況や設置環境により変化します。

これだけ聞いても、「ん?」と、よくメリットが理解できない方も多いと思います。解説すると、AEDのバッテリーの多くは4年間しか持たず、保証期間は5年と差がある場合が多いです。そのため、メーカー保証期間を迎える前に一度、買い替える必要があるのです。

CU-SP1のバッテリーは定価36,000円で販売されていますが、他の機種も同等の価格です。5年間の保証期間がすぎたらAEDを買い替える、というお客様が多いですが、CU-SP1以外のAEDは、その買い換え以前に一度バッテリーを買い替える必要があります。

AEDのバッテリーの期限管理は、AEDの設置先の担当者にお願いする、というお達し(※2)が厚生労働省からでていますが、4年目にはバッテリーの交換をし、5年後に保証期間を迎えたため本体を交換する、と管理するのも手間ですし、忘れる原因にもなります。

※2. 厚生労働省「いざという時、きちんと使えるように日頃からAEDを点検しましょう!

バッテリーの使用期限の話をするとよくいわれるのが、「保証期間中にバッテリーも買わせちゃうんだねー。いい商売だねー。」というちょっと皮肉のはいった言葉で、これを言われると、何とも言えないところだったのですが、このCU-SP1は保証期間中バッテリーが持続します。このAEDであればお客様にとってメリットあるとともに、販売側にも嬉しい仕様です。

ちなみに、AEDのバッテリーは、4年間持続というものがほとんどです。4年たった後、AED本体の保証期間の残りの1年AEDを維持するために、2年間持続するバッテリーが販売されている機種や保証期間内の交換バッテリーを提供するサービスもあります。

筆者注記:バッテリーのまとめ

  • 2018年現在、充電式のバッテリーはほとんどない。
  • バッテリーの寿命はほとんどの機種が4年。CU-SP1は5年。
  • 4年のバッテリーは保証期間内に1回交換。CU-SP1は保証期間内の交換は無い。

補足:バッテリーの寿命と言うのは本体に挿入してからの計算です。
CU-SP1の説明書やパンフレットの詳細を見ると「工場出荷から2年間以内に挿入して5年。」などと書いてあります。基本的に期限切れのバッテリーは販売していないはずですが、心配なら販売店に聞いてみましょう。

1-2. バッテリー残量が分かる残量表示

CU-SP1バッテリー残量表示

CU-SP1のステータスインジケータには3つの表示項目がついています。

その1つがバッテリーの残量を表示しています。見た目も携帯電話の電池表示に似ているので、一目でそれが何を表しているか分かると思います。AEDは日常点検をする必要があり、バッテリーの電池残量がなくなる前に交換をする必要がありますが、その残量を一目で確認できるので管理が楽です。また、電池残量が減ってきたことを視覚的に確認できるので、早め早めの準備に役立ちます。

他のAEDではこういった表示がないものが多いため、消耗品の交換時期を書いたタグをAEDにつけ、そこにバッテリーの交換期限を書き、交換時期を管理します。AEDが直置きしてあればタグを見るのも簡単ですが、収納ケースに入れられる方が多いので、その場合はタグを見るのが大変です。収納ケースは扉を開けると、大きなブザー音が鳴るからです。

その手間をなくし、消耗品交換時期を確認しやすいように、消耗品の交換時期を書いたタグは収納ケースの外につけることをお勧めしますが、街中でみるAEDの多くはAEDにタグが付いた状態で収納ケースに保管されているため、消耗品の交換時期の管理がきちんとされているかどうか、心配になることが多いです。

1-3. 電極パッドが正常かどうかが分かるステータスインジケータ

インジケータの1つに、電極パッドが正常かどうかを見分けるインジケータがあります。電極パッドも、2年~3年で交換する必要があるものが多いです。電極パッドはレトルトカレーの袋のような、非常にしっかりした袋に包まれていますが、乾燥や老化による硬化等が起こるので、交換しないと使用時に正常に使用できない場合があります。

CU-SP1は、電極パッドがプリコネクト式で本体と繋がっており、毎日行われるセルフテストで問題がないかチェックが行われます。問題がある場合は、内面が白くなってそれを教えてくれますし、上記のバッテリーと同様、期限が迫ってくると、黒く表示される部分が減ってきます。それをみて、電極パッドの交換期限を視覚的に認識できます。

なお、CU-SP1は、電極パッドの「期限」と、「導通性」、「乾燥」を感知します。ほかの機種でも、導通性か乾燥か、どちらかを確認するものはありますが、両方確認するのはCU-SP1だけのようです。

万が一、何かの拍子に電極パッドへのコードが断線した場合は、導通性で引っかかるので、異常を知ることができます。また、何かの拍子にパッドの袋に穴が開き、通常より早く乾燥してしまった場合も、乾燥テストによって感知することができます。

AEDは、普段あまり使わないですが、使う時は絶対に使えないと困る製品です。通常では分からない断線や、穴によってパッドが使えない状態になっていたら、助けられる命を助けられません。

CU-SP1は、その両方を感知して、AEDが常に正常に利用できる状態であることを監視できるAEDです。

1-4. 見やすい! 大きなエラー表示

AEDは自分自身に異常がないかを自ら、セルフチェックという形で行っており、その結果をインジケーターに表示します。

このインジケーターは、各社の設計思想により、点滅するものや、色が変わるものなど、さまざまなタイプがあります。

CU-SP1のインジケーターは、正常なら「大きな」〇が、異常なら「大きな」×がでる仕様になっています。この「大きな」というところがポイントで、この表示が非常に大きいです。通常1cm以下程の大きさですが、CU-SP1は2cmくらいはあり、遠くからでも確認しやすい特徴があります。

また、インジケーターが点滅するものは、点滅の間、数秒ではありますが、確認をするために待つ必要がありますが、CU-SP1は〇か×が表示され続けているので、確認に時間がかかりません。

1-5. オートボリューム機能

CU-SP1のオートボリューム機能

全てのAEDの中で唯一、オートボリューム機能が搭載されています。これは、外の音の大きさに合わせて、音量が大きくなるという機能です。

この機能を知った時は、「こんな機能必要なのかな?」と疑問にも思いましたが、意外に便利な機能です。AEDは、電源を入れるとしゃべりだし、使い方を指示しますが、その音量をどのくらいにするかは、非常に難しい問題です。実際に、AEDによって音量はまちまちなのです。

AEDを使う時のことを考えると、しっかりと声が聞こえないと使用に支障をきたすので、小さ音量だと問題があります。迷惑にならない程度に、できるだけ大きくした方がいいと思います。

一方で、AEDを使う時の練習してみたい、という時には、音が大きすぎると周りに迷惑になります。そういう状況だと、AEDを使った練習などがしづらくなりますので、音が大きすぎるのも困りものなのです。

私は、AEDを営業する際に電源を入れ、デモをするので、始めは小さ目の音で始まるこの機能は重宝しています。

1-6. 小学生〜大人・未就学児モード切替(セーフティーガード付)

SP1モード切り替え

CU-SP1は「小学生〜大人」(ガイドライン2015の「成人」)と、「未就学児」(ガイドライン2015の「小児」)の両方で、同じ電極パッドで対応できるモデルです。小学生〜大人には150J、未就学児には50Jの電気ショックを与えますが、与える電気ショックは切り替えスイッチで切り替えます。

この切り替えスイッチ、間違えてしまうと、大変なことになることは想像がつくと思います。小学生〜大人に50Jを与えても、ショックが弱すぎて救命できませんし、未就学児に150Jを与えると、ショックが強すぎて負傷する可能性もあります。

このように、「小学生〜大人」と「未就学児」の切り替えはしっかり行う必要があり、しかも、一度設定したものが簡単に変わってしまうようだと、事故に繋がる可能性があります。

セーフティーガードがあれば、しっかり設定をして確認して固定することで、そういった事故を防ぐことができます。

1-7. SDカード

CU-SP1 SDカード差込口

CU-SP1にはSDカードが付属しています。このSDカードはCU-SP1の中に差し込むことができるようになっており、そこに、CU-SP1の中に蓄積される心電図などのデータをダウンロードすることができます。別のタイプのAEDだと、赤外線通信で心電図データを取る、という仕様のものもありますが、これを行うには赤外線通信機器を別途購入する必要があるなど、データを取り出すのに少しハードルがありました。

SDカードを利用することで、より簡単にデータを取り出せるようになっています。

2. 新しいAEDに多くみられる特徴(もちろんCU-SP1も対応)

2-1. 1枚のパッドで、「小学生〜大人」にも「未就学児」にも使用できる

成人・小児兼用

当初のAEDは、小学生〜大人に使用する場合は「小学生〜大人用パッド」(ガイドライン2015の「成人用パッド」)、未就学児に使用する場合は「未就学児用パッド」(ガイドライン2015の「小児用パッド」)と、別のパッドを使用する必要があるものが主流でした。

このスタイルだと、未就学児に使用する可能性がある設置先では、小学生〜大人用パッドと未就学児用パッドをそれぞれ購入し、交換していく必要がありました。また小学生〜大人用パッドと未就学児用パッドで持続する期間が違うケースが多く、小学生〜大人用は2年、未就学児用は1年半で交換していく必要があったりします。その場合は、しっかりと期限管理をして頻繁に交換していかないといけないことになり、かなりの手間と、追加費用がかかっていました。

これを小学生〜大人にも未就学児にも両方に使えるようにすることで、管理の手間と追加費用を削減することに成功しています。

未就学児用パッドを使用するタイプは、未就学児用パッドに取り付けられた抵抗によって電気ショックを弱める形でエネルギーを調整するタイプでしたが、両用のものは、本体についている切り替えスイッチを動かすことによって、出力されるエネルギーを調整できるようになっています。

2-2. プリコネクト式

プリコネクト式

古いAEDは、電極パッドが本体と分かれているのが一般的でした。

そこでAED使用時には、袋の中にコードとコネクタと共に入っている電極パッドを引っ張り出してコネクタをAED本体とつなげ、電極パッドを傷病者に貼って、心電図をよむ、というのがAEDを使う時の一連の動作でした。

そこに、プリコネクト式のAEDが登場しました。

プリコネクト式とは、電極パッドが初めからAED本体に刺さっているタイプのことです。このタイプだと、さきほどの手順の中で、コネクタを本体に刺す動作が省けます。小さなことですが、AEDを使用するときは緊急事態で、パニック状態になっていることが考えられます。コネクタをさすのに予想以上に時間が掛かってしまうことも考えられますし、動作は一つでも少ない方が理想的です。

また、プリコネクト式で、AED本体と電極パッドをつなげておくことで、電極パッドの異常を確認できるようになりました。見えない場所の断線やパッドの乾燥など目に見えない異常の場合は目視では確認しようがなかったですが、プリコネ式にすることで、確認できるようになりました。

2-3. 防塵防水性能IP55

防塵防水性能

IPというのは、防塵・防水性能を表しています。

古くに作られた機種は、IP21というような、小さな粉塵が舞う場所では故障する可能性がある、少し水に濡れたら壊れる可能性がある、という、塵と水に対して弱いAEDもありますが、あたらしいAEDは、大体IP55という防水防塵性能のものが多いです。

屋外での使用が想定される場合、この防水防塵性能は大切です。「工事現場など塵の多い場所で使用しようと持っていったら壊れて使えなかった」、「雨の中、AEDを持ち運んで使ったら壊れて使えなかった」となると、救えた命が救えないことになってしまいます。

IP55というのは、という防水防塵性能です。防塵性能が5、防水性能が5ということです。下にそれぞれの数字の意味を書きました。IP55くらいの防水防塵性能のAEDを選ばれると、どこに行くにも安心だと思います。

・防塵性能 = 5 :機器の正常動作や安全性を阻害するほどの粉塵が、内部に侵入しない。

・防水性能 = 5 :あらゆる方向からの噴流水によっても、有害な影響を受けない。

2-4. 毎日行うセルフテスト

1日1回once a DAY

CU-SP1は、毎日AEDに異常がないか、自分自身で検査をします。この検査をセルフテストといいます。

例えば週に1回のセルフテストだと、異常を感知しても、それは1週間前のことかもしれません。セルフテストの頻度は多い方が良いと思います。

この記事を書いた人

清水 岳

清水 岳

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は14,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

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