AED-2150は、AED-2100の全ての機能を有し、さらに液晶画面があるのが特徴的です。騒音が大きい場所でも使用しやすかったり、耳が不自由な方でも使用できたり、暗い場所でも使用できたりなどのメリットがあります。
日本光電AED-2150の魅力
当記事では、「AED-2150」のメリットを細かく説明します。AED-2150という機種を知り、自分にピッタリなAEDかどうかを判断するのに活用していただけたらと思います。
1. AED-2150の液晶画面の魅力
AED-2150は、別ページで詳細に説明しているAED-2100に、「液晶画面」が付いたAEDです。AED-2100の全ての機能に加えて液晶画面も保有しているAEDがAED-2150です。
AED-2100については『AED-2100|遠隔監視機能付き、日本製AEDの魅力8選。』で詳しく説明しています。
AED-2150の液晶画面は、AEDを使用する段階に沿って表示される液晶が移り変わっていきます。小児モードでは小児の画像が、成人モードでは成人の画像が表示されます。画面は進捗状況に応じて細かく遷移します。以下の内容の画面が用意されています。
- 成人モードか小児モードかの確認
- 意識・呼吸を確認
- 胸を裸にする
- AEDを袋から取り出す
- 袋を破いて電極パッドを取り出す
- パッドをシートから剥がして体に貼る
- パッドの状態やAEDの接続を確認
- 体に触らないようにアナウンス
- 「電気ショックが必要」/「電気ショックが不要」という画面
- 体から離れて点滅ボタンを押す
- 電気ショック完了/電気ショックは不要/電気ショック中止/心電図が調べられない
- 胸骨圧迫と人工呼吸を開始
- 胸骨圧迫と人工呼吸を継続
液晶画面付きのAEDはAED-2150以外にもありますが、ものによっては、液晶画面の表示が切り替わっていかないものもあるようです。
また、プロ仕様のもので心電図がモニターに表示されるタイプもありますが、一般の人が傷病者の心電図を見たら、逆にパニックになる可能性があります。一般人が使用するAEDの液晶画面としては、AED-2150の液晶画面は理想的な仕様ではないかと思います。
筆者注記1:小児モードの切り替えタイミング
AED-2150は上記に書いたように、成人・小児の切り替えがありますが、これは電気ショックを行う前までいつでも変更が可能です。切り替えた際も、操作が一から始まるのではなく、その瞬間に切り替わり、画像も成人⇔小児でその場で切り替わります。そして切り替えた場合は液晶だけでなく、音声ガイダンスも専用のものに切り替わります。
2. 液晶画面の魅力
液晶画面については、私はかなり役立つものだと考えています。そう思う点として以下の3点があります。
- 騒音がうるさい場所での使用に役立つ
- 耳の不自由な人の使用に役立つ
これらについて、詳しく説明致します。
2-1. 騒音がうるさい場所での使用に役立つ
AEDは、どこで使用されるか分かりません。
交通量の多い道路の横、横を電車が通る駅のホーム、声援がランナーを盛り上げるマラソンの場、試合で盛り上がっているスタジアム、ライブ会場、工事現場の近く、空港の近く等々、大きな音が周囲で鳴り響いている場所はいくらでもあります。
例をあげたマラソンではランナーに強い負荷がかかる為心停止が起きやすいですし、スポーツ観戦中やライブ会場などでは急激に感情が高ぶり、それが原因で心停止に陥る場合も報告されています。
騒音が激しい場所は、AEDが必要となる可能性が高い場所であるケースも多いのです。
AEDは、もちろんある程度の騒音がある場所でも使用できるように考えられて作られています。そこそこうるさいくらいの場所でしたら十分に音声を聞き取ることはできると思います。
しかし、会議室など静かな場所で使用されることも想定されているので、迷惑にならないようどこでも届く程の大きな音でアナウンスするわけではありません。そのため、騒音が激しすぎる場合には、音声を聞き取れない可能性があるのです。
また、AEDを使用する時は、使用者は少なからずパニック状態になっていることが想定されます。そんな状況では普段は聞き取れる音量でアナウンスされても聞き逃すかもしれませんし、意味を正しく理解できないことも想定されます。そんな時に、液晶画面で手順が表示されていたら、非常に分かりやすいのではないでしょうか。
例えば、「電極パッドを右のわき腹と左の肩のあたりに貼って下さい。」というアナウンスがあったとします。AEDを一度使用したことがある方で、その際に電極パッドを貼った場所を覚えている人であればこの説明で十分にAEDの使い方を理解できると思いますが、AEDを使用したことが無い人だったら、電極パッドを貼るイメージがつかないかもしれません。その時に、電極パッドを貼る位置を示した図が表示されたら、どう操作すればよいかがすぐに正しく理解できるのではないでしょうか。
筆者注記2:音だけではなく、画像、映像で理解できる
画面が有ることで騒音がうるさい場所での使用が容易になりますし、言葉だけではイメージしにくかったことが図によって理解でき、正しく使用するのをサポートしてくれます。
2-2. 耳の不自由な人の使用に役立つ
通常のAEDは、音声でAEDの使い方をアナウンスします。アナウンスの内容は非常に丁寧で、初めての人でもAEDが使えるように考えられて構成されているので、音が普通に聞こえる人であればそのアナウンスに従えば使用するのはさほど難しくは無いと思います。
しかし、耳が聞こえない人、耳が不自由な人はそうはいきません。AEDによほど精通してない限りは、AEDがどんな指示を出しているか分からないので、正しく使用することが出来ないことが想定されます。
このような、耳が聞こえない人、耳が不自由な人はどの程度いるのでしょうか。WHOの調査で、以下のような情報がでています。
世界疾病調査(GBD)の聴覚専門者による 2013 年 の WHO のレビューによると、世界の聴力低下による 難聴者比率は 15 歳以上の男性で 22.7%、女性で 19% という結果でした。聴力レベル 20dB~34dB HL(500, 1000, 2000, 4000Hz の平均)を軽度難聴としたところ、 50 歳以上の成人に聴力低下の増加が多く見られまし た(Stevens ら, 2013)。
約20%という数字は、5人に1人は聴力が低下しているということになります。聴力が低下している人々にとっても、画面はAEDを使用する際の良いサポートになると思われます。
心停止状態では、10分放置してしまうと救命の見込みはほぼなくなるという1分1秒を争う状況です。その時に近くにいる人が聴覚に問題があったとしたら、他のAEDだと使用出来ない可能性がありますが、AED-2150なら使用できる可能性があります。この点を考えると、画面付きであることは非常に価値のあることだと感じています。
筆者注記3:高齢化社会とAED-2150
最近は町内会でAEDを購入されるところも増えています。またマンション管理組合で購入されるお客様も増えているように感じます。そういった様々な方の使用が想定される場所では耳の悪い方や耳の聞こえが悪い高齢者がいらっしゃることも想定されますので、画面付きのAEDを選択されるのが良いかと思います。
2-3. 真っ暗な所でも機器や指示が見える。
液晶画面は光を発します。
それが光源となり、暗闇で使用する際も表示やボタンを確認できるメリットもあります。液晶が無いAEDでは小さなランプ以外光源が無いことが殆どなので、暗い場所ではどこにボタンがあるかわからなかったり、電極パッドを取り出すのに苦労することも想像できます。
光がなければ見えず、見えなければAEDの使用は難しいので、液晶画面は暗闇で重宝する機能だといえます。
実際のところは、真っ暗闇でAEDを使用することは殆ど無いとは思います。また最近は携帯電話を携帯している人が殆どなので、暗闇でも携帯電話で照らすこともできます。
ただ、災害時は電気がなかったり、携帯の電池が切れてしまっていることがあるかもしれません。また、たまたま携帯を持っていない時に暗がりで傷病者に遭遇することも無いとは言えません。災害時や、設置場所の近隣の夜間の照明の状況を確認し、液晶画面付きを選ばれるのも良いかもしれません。
まとめ
AED-2150は細かく画像が変わる液晶画面がついたAEDです。液晶画面があれば、表示される絵を見て使用方法を確認できるので、正しく操作をするサポートになります。また液晶画面があることで騒音がうるさい場所で使用しやすかったり、耳が不自由な人にも使用できるメリットがあります。
町内会やマンション等、様々な方が使用することが想定される場所に設置する場合には、画面付きのAEDは活用されやすいと思います。また、近くに大きな道路や空港などがあって騒音が気になる場所や、熱狂する観客の集まるスポーツ施設、ライブ会場等に設置する場合も、液晶画面付きのAED-2150を選択されるのが良いと思います。